広報おやま 2023年10月号
技術はどこまで進化する? Bottle to Bottle 経済と資源を循環しつつ、 二酸化炭素 排出量も削減するペットボトルの水平リサ イクルの技術を開発。 長年プラスチック ごみの有効活用に取り組んできた協栄産 業㈱古澤栄一さんにお話を聞きました。 本社 : 城東 2-32-17 協栄産業㈱ 代表取締役 ◆ 要らないものが貴重な資源に プラスチックの再生加工製造販売を行う協栄産業㈱。 同社で再生加工した原料はペットボトルのほか、さまざ まなプラ製品や有名メーカーの衣類として生まれ変わり ます。「うちは要らないものを資源として付加価値を付け て提供する会社。天然資源の少ない日本で、環境負荷を 軽減しながら資源として有効活用できる廃プラスチック は『街から湧き出る油田=都市油田』です」と古澤さん は言います。 ◆ リサイクルで CO 2 を 63%削減 今でこそ “プラマークのあるものはリサイクルする” と いう考えが広まっていますが、 古澤さんが会社を設立した 1985年当時は、 ペットボトルをはじめとしたプラスチック ごみをリサイクルする会社はほぼ無く、 技術開発や顧客 開拓の日々が続きます。 なかでも、 ペットボトルをペットボトルに再生加工する水 平リサイクル (Bottle to Bottle) は天然資源を消費する ことなく、 ペットボトルの原材料であるPET樹脂を半永久 的に循環使用することができる一方、 その技術の困難さ ゆえに日本国内で挑戦する者はなく、 技術開発 ・ 理解 ・ 協力などさまざまな壁があったと言います。 こうして何年もの歳月を経てついにスーパーに並ぶ ペットボトルに、 協栄産業㈱が開発した使用済みペットボ トルで作った再生PET樹脂の採用がはじまり、 一気に加 速したペットボトルの水平リサイクル。 PET樹脂ができる まで、 原油から製造する場合と廃ペットボトルから製造す る場合とを比較すると、 廃ペットボトルを使用した場合の 方がCO 2 の排出量を63%削減できることを証明してみ せました。 ◆ 一人一人の心がけが大切 誰もが難しいと避けていたペットボトルの水平リサイク ルを実現した古澤さん。 それに満足することなく更なる 技術開発を進め、 常に進化を続けています。 そんな古澤 さんは、 小山市、 下野市、 野木町、 小山広域保健衛生 組合と10月1日協定締結のペットボトル水平リサイクルに ついて、 「小山広域 (小山市 ・ 下野市 ・ 野木町) で回収 するペットボトルのリサイクルによるCO 2 削減量は年間約 580t。 これは自然界において、 樹齢40年の杉の木6,500 万本が1年間に吸収するCO 2 と同じ量になります。 皆さん がラベルをとり、 キャップをとり、 洗ってペットボトルを出 すことで、 結果的により品質のよい製品を皆さんに届ける ことができます」 と話します。 7月30日 (日) に行われた第71回小山の花火。 仕掛け 花火でトリを務めた協栄産業㈱。 「4年ぶりなので皆さん に楽しんでもらいたかった」 と話します。” ゼロカーボン” や” 循環型社会” など決して一人ではできない事業を担 う企業ならではの意気込みを感じました。 古 ふ る 澤 さ わ 栄 え い 一 い ち さん ペットボトル の 水平リサイクル 広報おやま 2023.10 4
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