「建物と同じように基礎が大事」と鈴木さんは話します。有 機米を作る上での一番の難敵は雑草。その雑草の発生を極力抑 えつつも栄養のある土にし、稲が雑草に負けないようにしなけ ればなりません。田植え前には雑草を抑制する代 しろ 掻 か き(※)、収 穫後の10月には、舞茸の菌床を土に混ぜ栄養のある土にする 作業(右写真下段)に取り組んでいました。鈴木さんは、3年 目の有機米の生産に向け、手間を惜しまず取り組んでいます。 「小さい頃に食べたご飯の思い出って、特別だと思うんです よ」と鈴木さんは話します。学校給食にも出る鈴木さんの有機 米。その味の評判は「甘味が強く、冷めてもおいしい」とのこ と。一昔前よりお米の消費量が減っていることを懸念しつつ「お 米を食べてお米を好きになってくれると嬉しい」と鈴木さんは 語ってくれました。 雑草に負けない土作り お米はおいしいよって感じてもらいたい 有機米生産者 鈴木ファーム 農場長 鈴 す ず 木 き 光 み つ 国 く に さん 02 おやま和牛生産者 松 ま つ 本 も と 一 か ず 男 お さん (JAおやま 肥育牛部会 部会長) 03 3等級(A3)以上の牛肉だけが、名乗ることができるおやま和牛。 小山ブランドであり、品評会で選ばれるなど全国でも評価の高い牛 肉です。そんな高品質な和牛が小山で育つ理由を松本さんは「地下 水が豊かな地域なので牛はきれいな水を飲むことができます。また、 稲作も盛んな土地のため、牛に良質な稲わらを与えることができま す(左写真下段)。牛は草食動物、良質な稲わらは、牛の胃もたれ を予防し、元気よく成長させることができるんです」と語ってくれ ました。 小山の自然が育む和牛 「牛にもそれぞれ個性があります。ひとりが好きな牛、仲間と一 緒が好きな牛。牛同士の相性もあります。牛を観察しながら、なる べくストレスが無いように育てています」と松本さんは話します。 松本さんは、おやま和牛の魅力の一つを、高品質でありつつも価格 が比較的お手頃な点だと言います。「すき焼き、せいろ蒸しがおす すめ。一度食べてみて、小山にこんなおいしい和牛があることを知っ てもらいたいですね」とメッセージを伝えてくれました。 それぞれの個性に合わせた育て方 ※ 水を張った状態で田んぼの土をかき混ぜる作業のことで、雑草の種を深く埋め込むことで雑草の発芽を抑える効果があります。鈴木さんの有機農業の 水田では通常より深く代掻きを行い、より深く雑草の種を地中に埋め込んでいます。 広報おやま 2024.12 5
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