広報おやま 2025年3月号

新小山市民病院の初代理事長・病院長であり 小山市の地域医療を支え続けた 島田 和幸先生の信念とは 新小山市民病院の理事長 ・ 病院長である島 しま 田 だ 和 かず 幸 ゆき 先生が2025年3月末を もってご勇退されます。 対話と共創を信念とし、 医療サービスの充実、 経営の 健全化を行うことで、 新小山市民病院を、 揺るぎない小山市の中核病院へと 成長させました。 長年地域医療に携わってきた島田先生に、 今まで、 そしてこ れからのお話をお伺いします。 ■ プロフィール ■ 島田 和幸 (しまだ かずゆき) 昭和23 (1948) 年生まれ。 77歳。 香川県出身。 東京大学医学部卒。 卒業後は東大第 3 内科入局。 自治医科大学附属病院長などを歴任。 新小山市民病院の初代理事長 ・ 病院長。 専門分野は、 循環器内科学、 老年病学、 高血圧の成因と治療、 動脈硬化、 血栓止血学。 赤字からのスタート 2013年、小山市民病院から新小 山市民病院へ改称し、経営形態も「地 方独立行政法人」へ移行、運営は市 から独立して行うこととなりました。 島田先生が赴任したのは、その前年、 2012年のことでした(上部写真左側 は当時の写真)。その当時の市民病院 の経営状態はというと、赤字続き。立 て直しの期待を受け就任したのが島田 先生です。 「文字通り一新する思いを込めて付 けた新小山市民病院の“新”の文字。 他の病院の視察などを行い、しっかり と準備をした上で、2013年より本格 的に経営改善に取り掛かりました。総 合的な医療サービスの底上げのため、 患者サービスと診療レベルの向上をさ せることはもちろんのこと、大学病院 との連携、地域の病院との連携、医師 会との連携を行うことで、患者さんだ けなく、他の病院にも信頼される病院 になっていきました」 実際に、2013年には黒字へ転換。 その後も業績は上がり続け、2022 年には、市の運営費負担金を除いても、 黒字経営を達成しました。同年には全 国自治体病院協議会定時総会において 「令和4年度自治体立優良病院会長表 彰」を栃木県で初めて受賞、翌年には その上位賞となる「総務大臣表彰」を 受賞するなど、その経営の健全化への 改善努力の成果や地域医療の確保への 多大な貢献や取り組みは、全国的にも 高く評価されています。 病院は人で成り立つ 「病院というものは、人がいて、そ の人たちがちゃんと仕事をすれば成り 立つもの。そういう仕組みだと思うん です」と島田先生は話します。 昨今、医療業界では人材不足、とり わけ医師不足が叫ばれていますが、新 小山市民病院の職員数は概ね順調に増 加しています。職員数で言えば、赴任 当時は約340人でしたが、現在では 約800人へ増加、医師数や看護師数 も当時より倍増しています。 「医師数は現在81人。医師が病院 を選ぶ際は、この病院でどのような医 療が提供され、自分はどのようなト レーニングができるのか、つまり“学 び”が大きなポイントとなります。ま ずは研修制度をしっかり充実させ、技 広報おやま 2025.3 6

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