ブックタイトル小山市制施行60周年記念誌

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概要

小山市制施行60周年記念誌

2小山ブランド1本場結城紬ができるまで本場結城紬はすべて手作業で作られます。糸つむぎ・絣くくり・地じばた機織おりの三工程は国重要無形文化財に指定されています。糸つむぎ2かすり絣くりユネスコ無形文化遺産「ツクシ」と呼ばれる道具に、繭を煮て引き延ばした「真綿」を巻きつけ、手で撚りをかけずに、均一の太さで糸をつむいでいきます。つむいだ糸は木製の「オボケ」にためます。熟練した技を持つ方でも1枚の真綿をつむぐのに2時間ほどかかります。3たたき染め絣くくりが終わった糸を染めていきます。細かい間隔で縛ってあるため、単に浸けるだけでは染料が糸の束の内部に入っていきません。染料を浸けた糸の束を木の棒の先端に付け、石や木の板に叩きつけながら内部にまで染料を浸透させていきます。亀甲柄など絣の柄を形づくるには、あらかじめ糸を染め分けておきます。絣糸で柄になる箇所には染料が染み込まないように、墨付けをして綿糸で縛ります。数カ月に及ぶ作業ですが、染めたときにムラにならないように、1人の男性がすべてのくくりを行います。4地じばた機織おり最も原始的な織機である「地機」で織り上げていきます。地機に張るたて糸を腰当てに結びつけて、腰の力で張り具合を調節しながら切れやすい手つむぎ糸を上手に扱い、絣模様の柄を合わせていきます。複雑な柄だと織り上がりに1年以上かかることもあります。平成15(2003)年10月、ユネスコ総会にて、「無形文化遺産の保護に関する条例(無形文化遺産保護条例)」が採択されました。日本は世界で3番目の締結国(平成18(2006)年)です。日本からは平成25(2013)年に「和食」が加わり、現在22件が登録されていますが染織部門では新潟県の「小千谷縮・越後上布」と「結城紬」の2件だけが登録されています。“Honba Yuki Tsumugi,”which is one of the highestgrade silk products in Japan, is manufactured in a completelyhandmade process, from spinning the threadto weaving the fabric. On November 16, 2010, it wasinscribed as a UNESCO Intangible Cultural Heritage. Inthe eastern part of Oyama City, the agricultural villagefacing Kinu River has long been prosperous in sericulture.Tsumugi thread, which is woven as a secondaryindustry of the silk industry, is still being manufacturedas Honba Yuki Tsumugi. In Oyama City, we are trainingfuture generations and are promoting wearing it, andalso implementing promotion surveys to develop a materialadapted for making suits.真綿のぬくもりがある本場結城紬を次の世代に継承していきたい。栃木県本場結城紬織物協同組合理事長石川好太郎さん全国には「紬(つむぎ)」と呼ばれる織物はたくさんありますが、本場結城紬は手で糸をつむいでいる数少ない産地です。繊細な糸を丁寧に扱いながら、ゆっくりと手間をかけて、柔らかで温かい反物まで仕上げていきます。今、若い女性でも結城紬を着たいという方はたくさんいます。その方々の要望に応えるためにも、着物の消費を増やしながら、価格を維持して、後継者を育成することが今後の課題です。本場結城紬の持つ真綿のぬくもりを次世代へと伝承していきたいですね。本場結城紬の伝統技術の継承とその魅力を伝えるため市職員として採用された「紬織士」の今泉亜季子さん。若い力が伝統の技を未来につなげます。7