小山市教育委員会教育長 濱口 隆晴
ご挨拶
令和7年度の始まりに当たり、ご挨拶申し上げます。
令和7年度から小山市は、大きな組織改編により、新しい組織でスタートしました。
その概要は、これまで保健福祉部に所属していた「子育て家庭部門」を教育委員会に移行し、乳幼児期から青年期に至るまで、一人一人のこども達に切れ目のない一貫した支援を行っていくことを目的としたものです。
それに伴い、教育委員会組織も2部10課体制になりました。(2部とは(1)こども未来部(2)生涯学習部のこと。10課とは(1)こども政策課(2)こども教育課(3)青少年支援課(4)子育て家庭支援課(5)保育課 (6)学校支援課(7)生涯学習文化課(8)文化財課(9)生涯スポーツ課(10)中央図書館のこと。)
この2部の間の連絡調整にあたる教育総務課が、新たに組織され、令和7年度がスタートしました。
組織再編でより大所帯になった教育委員会にとって大きな課題は、お互いの情報共有です。
今後、さらに組織内の密な連携体制を築いていくことが大切だと考えています。
学校の教育活動を様々な面から支える教育委員会として、子ども達の元気な姿と成長する様子を今後も見ることができるよう一丸となって取り組んでまいります。
保護者や地域の皆様には、これまで同様、小山市の教育や子育て施策に対しての深いご理解とご協力をこの場をお借りしてお願い申し上げます。
また、市民の皆様の各種文化芸術活動も、公民館活動などを通して活発に行われていると感じます。
改めてこども達だけでなく、大人にとっても学ぶことの喜びが如何に大きいかということを再認識いたしました。
真に豊かなまち「小山市」を築いていくには、これからも文化芸術活動の振興が不可欠です。今後ともその振興に努めてまいります。
教育界では、いつの時代も「不易と流行」が大きなテーマでした。
不易とは言うまでもなく「長い間変わることなく、存続すること」また流行とは「新しい様式が、もてはやされ、広まること」です。
今の教育界の姿は、それぞれの時代に「何を残し、何を変えるか」を考え、実践を重ねてきた結果でもあると思います。
新年度のスタートを機会に、もう一度私達、教育委員会としてもこれまでの取り組みを見直し、不易と流行を考えながら、小山市の教育の一層の改善・充実に努めたいと考えています。
以下にその取組の基本的な考え方を述べたいと思います。
学校教育
(1)「生命尊重」「人権尊重」の教育がすべての土台であり、「安全の保証」「確かな学カの保証」「成長の保証」の3つが学校が果たすべき役割と考える。
(2)「子どもの瞳が輝き、笑顔があふれ、元気なあいさつが響く」学校づくりを目指す。
(3)我が校ならではの特色ある教育課程を編成する。
(4)好ましい集団を育む学年・学級経営を実践する。
(5)「分かる・できる・定着する」授業づくりを目指す。
(6)ICTやネットワークの適切な活用方法を身に付けるよう指導をすると共に、情報モラルやセキュリティーの意識高揚に努める。
(7)自己指導能力を育む児童生徒指導を展開することで、一人一人が楽しさや喜びを感じる学校生活の実現に努め、好ましい集団の育成を目指す。また特別な教育的支援を要する児童生徒への対応にも教職員の協働体制で取り組む。
(8)学校は「子どものため」「子ども第一」という発想や考え方で子ども達に向き合い地域や保護者の期待には、「成長した子どもの姿」を見せることで応えていく。
生涯教育
(1)生涯学習センターの直営化により、市内各施設で実施されていたサークル活動等がよりいっそう連携・協働できるように働きかけていく。これにより一層、生涯学習の充実発展に努めていきたい。
(2)第三次小山市生涯学習推進計画の計画の中では、目指す市民の姿として具体的には、「いきいきと学び 積極的につながり 主体的にまちづくりに参画する市民」と設定している。目標達成に向けて今後もさらに取り組んでいきたい。
(3)市民交流センターや地域の公民館の活性化、中央図館・市立博物館・車屋美術館等の文化的施設の利用促進を図り、市民にとって、これらの施設がより身近なものと感じられるようにしていきたい。
幼児教育
(1)幼・保・小全体を通して、こども達の立場に立った幼少期の教育のあり方を考えていきたい。保護者の視点に立った保育施策と同時に、子どもの視点からの支援策を考えていきたい。
(2)幼児教育と義務教育の円滑な連携・接続を目指し、互いの教育内容を理解しあうと共に一貫した方針でこども達の指導にあたれるよう体制づくりに努める。
子ども子育て支援
(1)多様な境遇にあるこどもや若者の生命や権利が守られ、安全に安心して暮らすことができる環境づくりに努めていく。
学校の適正規模化
(1)学校は地域の文化の拠点であり、心の拠り所でもある。避難所としても重要な役割を果たしてきた。小規模校の少人数教育の意義についても認めると共に、適正規模化の必要性を考えながら、地域との議論を深めていきたい。検討経過や結果については地域や保護者等への説明責任を十分に果たしながら進めていきたい。
(2)小山の人口動態や地域の開発計画等を慎重に考慮し、各中学校区ごとに適正規模化の計画を進めていく。地域の理解と納得を得ながら計画にあたりたい。
小中一貫教育
(1)小中一貫教育の基本理念はすばらしいと考えている。全中学校区で今後も継続して取り組んでいきたい。
(2)義務教育学校や小中一貫校の先進事例の成果と課題を十分に検証して、必要な物的・人的な条件の充実に努めていきたい。
コミュニティスクール
(1)令和5年度には、市内すべての学校に学校運営協議会が設置され、コミュニティスクールの推進体制が構築された。各学校の特色ある教育活動を推進する上でも、地域との連携・協働体制を今後とも強めていきたい。
(2)学校と地域家庭が連携・協働して地域全体で子供たちの学びや成長を支え、そのことをきっかけに地域住民相互の連携を深め、地域社会の活性化を図る「学校を核とした地域づくり」の取組を推進する。
児童生徒指導
(1)児童生徒が自己決定や自己選択の機会を通して「自己有用感」を実感できるようにする。そのためには児童生徒が主体的に自分の生き方を考えられるよう「心を育てる」視点で指導援助をしていく。
(2)家庭や地域、関係機関とのより一層の連携・協力を図り、各中学校区で義務教育9年間を見通した指導方針・内容を共有し、協働体制での指導を展開していく。
特別支援教育
(1)障がいの有無にかかわらず、全ての児童生徒に対する「個に応じた指導を一層充実させること」という理念に基づき、温かい人間関係を育むと共に、分かりやすい環境を柱として、安心感を高める指導に取り組む。
(2)特別な支援を必要とする児童生徒については「個別の教育支援計画」を作成し、全校体制による支援を推進していく。またスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用も積極的に図る。
新年度を迎え、新しい組織体制で市教育委員会もスタートをいたしました。
教育委員会に属する各課とも、それぞれの課題に真摯に取り組んでおります。
風通しの良い職場づくりを目指すと共に、課題については、慎重に検討を続け、進めていきたいと考えております。
私達は常に「子どもや市民にとってどうか」という視点を忘れずに議論を進めていく所存です。
令和7年度もどうぞよろしくお願いいたします。
小山市教育目標
- 知・徳・体の調和のとれた人を育てる
- 生涯にわたって自己実現を目指す自立した人を育てる
- 公共の精神を尊び、社会の形成に主体的に参画できる人を育てる
- 創造性に富み、変革の時代に主体的かつ柔軟に対応できる人を育てる
- 人権を尊び、平和で民主的な社会を形成する人を育てる
- 伝統と文化の継承・発展に努め、国際社会の発展に貢献できる人を育てる
小山市の教育の基本理念
- 確かな学力・豊かな心・健やかな体を育む学校教育の実現
- 豊かな人と地域を創る生涯学習環境の実現
- 心豊かで活気ある暮らしやすい「文化都市小山」の実現
- 元気いっぱい明るく活力ある生涯スポーツ社会の実現
小山市学校教育目標
- ○人間性豊かで、よりよい生き方を求める子どもを育てる
- ○自ら学び、確かな学力を身につける子どもを育てる
- ○心身ともにたくましく、安全につとめる子どもを育てる
- ○郷土を愛し、社会に尽くす子どもを育てる