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  • 【更新日】2024年3月25日
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議会運営委員会視察報告(令和6年1月16日から18日)

神奈川県横須賀市【横須賀市議会実行計画について】

1 横須賀市の概要
横須賀市は、神奈川県の南東部、三浦半島中央部に位置し、総面積は100.81平方キロメートル、人口は約37万4千人である。三方を海に囲まれ、戦前は軍港都市として発展し、現在も自衛隊や米軍の基地が立地している。

2 横須賀市議会実行計画について
横須賀市議会では、議会全体で政策立案を積極的に行い、課題解決に寄与するため、議会基本条例に基づき「政策検討会議」を設置している。政策検討会議では、議員の任期4年間で議会が取り組むべき課題を協議し、「横須賀市議会実行計画」を策定している。なお、全議員の賛同が得られた検討課題について協議を行う「課題別検討会議」も設置している。
令和元年度から令和4年度までを計画期間とする「未来への羅針盤2023」における政策形成サイクルは(1)~(4)のとおりであった。

(1) Plan:実行計画の策定(政策検討会議)
各会派からテーマを提案し、実行計画として取り組むことがふさわしい課題を絞り込んだ上で、各会派が5項目の選定基準に基づき、各テーマの評価を行った。そして、評価の合計点が高いテーマについて担当部局の意見を照会した上で、協議により課題を選定し、実行計画を策定した。

(2) Do:政策立案 (課題別検討会議)
課題を所管する部局や専門家、市民などの意見を聴取し、それらを踏まえて条例の素案や政策提言について協議を行った。そして、広報公聴会やパブリックコメントを行った上で、条例制定議案の上程または市長等への政策提言を行った。

(3) Check:政策の検証
政策検討会議において、検証対象とする条例の選定および担当部局への資料提供依頼を行った上で、検証を検討すべき条例の一覧および資料を各常任委員会に提供した。そして、各常任委員会の所管事務調査において、検証の必要性を協議した上で条例の検証を行い、その結果を政策検討会議に報告した。

(4) Action:政策の反映・改善
常任委員会における検証結果を受けて、委員間協議により条例等の見直しの必要性を検討した。さらに、政策への反映や課題解決への手立てとするため、条例改正や執行部の運用に対する提言を検討した。この結果は、本会議における委員長報告により、全議員に共有した。

3 視察を終えて
横須賀市議会は、計画や進捗を見える化し、政策立案から検証、改善まで行っている点が特徴的であった。なお、未来への羅針盤2023を終えて、課題としては、市民や専門家の意見聴取のあり方や、計画初年度に4つのテーマを選定し、1年に1テーマのペースで検討していく方法は、時間的余裕がない上、テーマが4年後には時宜を得たものでなくなる可能性があること等が挙げられたと言う。なお、横須賀市議会実行計画には、政策立案のみならず、議会改革の課題や工程についても盛り込まれ、見える化されている。現在、小山市議会でも議会改革を進めていることから、横須賀市議会の手法は大変参考になるものであった。

岐阜県可児市【議会基本条例の検証について】

1 可児市の概要
可児市は、岐阜県の南部に位置し、総面積は87.57平方キロメートル、人口は約10万人で、木曽川や可児川が流れる自然豊かなまちである。岐阜市および名古屋市からともに30キロメートルという立地条件から、ベッドタウンとして発展するとともに、県下最大級の工業団地を有する。

2 議会基本条例の検証について
(1) 議会基本条例検証プロジェクトチームについて
可児市議会では、議長の諮問により「議会基本条例検証プロジェクトチーム」を立ち上げ、議会基本条例の検証と見直しを行った。なお、プロジェクトチームは副議長が座長となり、議会運営委員長のほか、各会派の人数のバランスを考慮して指名された議員の合計8名で構成された。

(2) 検証の概要
令和4年12月から令和5年2月にかけて、議会基本条例検証プロジェクトチームによる会議を5回開催し、1条ずつ各委員の意見を聞きながら検証作業を行った。その結果、タブレットなどの情報通信技術の活用に関する規定、および議員の個人情報の取り扱いに関する規定を追加することや、議会報告会や議会広報活動の充実強化に関する規定の文言を整備することなどを決定した。条例の一部改正案は例規審査を経て令和5年3月議会に上程され、可決した。

(3) 今後の課題
議会基本条例は議会の最高規範であることから、社会情勢の変化や技術革新へ対応していくため、今後も定期的な検証が必要となることや、一般選挙で初当選した議員に研修を行うことが課題となっていると言う。

3 視察を終えて
小山市議会基本条例においても、条例の目的の達成状況を随時検証し、改善等が必要な時は改正することなどを定めていることから、可児市議会の条例の検証から一部改正に至るまでの手法は大変参考になるものであった。
また、今回の視察では、可児市議会の議会改革についてもご教示いただくことができたため、そちらについても報告したい。可児市議会では、市民福祉向上のための4つの議会サイクルとして、議長や常任委員会が各種課題を改選後に引継ぎ、継続して取り組むための「議会運営サイクル」や、決算審査の際に、重点事業点検報告書や議会報告会の意見等を踏まえて市長に提言し、次年度予算に反映させるための「予算決算審査サイクル」、議会報告会等で市民の意見を集約し、市長へ提言や委員会代表質問等を行うための「意見聴取・反映サイクル」、議会・学校・行政・地域が協働するための「若い世代との交流サイクル」を設定している。それらの中でも特に、若い世代との交流の1つである「IPE(多職種間連携教育)手法を活用した高校生との意見交換」は、医療・介護など、さまざまな業界の複数の専門家と、議員や高校生等が地域課題について意見交換や活動報告を行うもので、高校生が地域で活動する大人と関わるキャリア教育と、議会が若い世代の意見を聴く機会が合致した、大変先進的な取り組みであった。

愛知県知立市【議会改革について】

1 知立市の概要
知立市は愛知県のほぼ中央に位置し、総面積は16.31平方キロメートル、人口は約7万2千人である。主要国道や名鉄本線、三河線が交差する交通の要衝であり、名古屋市や豊田市などのベッドタウンとなっている。

2 議会改革について
知立市議会では、平成22年に議会改革特別委員会を設置して以降、数々の議会改革を行ってきた。ご教示いただいた取り組みの中から3点を、(1)~(3)のとおり報告したい。

(1) 議会モニター制度
満18歳以上の市内在住者等を対象に、議会運営に関する意見を提出していただく「議会モニター」を募集している。任期は1年で、現在は7名が活動しており、寄せられた意見については議会改革特別委員会で協議の上、所管の委員会から回答している。なお、議会モニターの意見を反映し、これまでに傍聴資料のペーパーレス化(紙資料を貸し出す方式から、議場内スクリーンで閲覧していただく方式に変更)や、市議会だよりのリニューアルなどを行ったと言う。

(2) オンライン議会報告会
令和3年5月にオンライン議会報告会を開催した。議員は議事堂委員会室に参集し、市民はオンラインで参加するハイブリッド方式を採用し、参加者は議員20名を含め48名であった。なお、従来の対面式の議会報告会では、参加者の固定化や人数の伸び悩みが課題であったが、オンラインでは若い年代の方など、新たな参加者を得られたと言う。一方、ハイブリッド方式にはZoomの音声が聞き取りにくいという問題があり、音響の技術面で苦労したと言う。

(3) 高校生議会
令和4年度は、高校生議員と市議会議員が5つの委員会に分かれ、各委員会に付託されたテーマについて調査・協議を行った。委員会では、高校生が事前に調査した内容を報告し、その内容について議員を交えて意見交換を行い、その内容を提言としてまとめた。
令和5年度は、議員が訪問やオンラインにより、事前に高校とテーマや構成等について打ち合わせを行った。当日は2部制とし、アドバイザーとして大学教授を招き、生徒40名が3、4人の班に分かれグループワークを2回行った。なお、これは主権者教育として実施し、結果よりも議論することを重視したと言う。

3 視察を終えて
数々の議会改革の中で、特に高校生議会は、小山市議会でも高校生との意見交換会を実施しており、かつ中学生議会を開催予定であることから、大変参考になる事例であった。なお、知立市議会においては、さまざまな場面におけるオンライン会議の活用や、チーム議会でDXを推進するための知立市議会DXプロジェクトチームの発足など、ICT化の推進が議会活動の活性化につながっている印象を受けた。小山市議会でもタブレット端末を導入しており、今後は単なるペーパーレス化のみならず、SNSによる情報発信など、さらなるICT化の推進を検討していることから、知立市議会の取り組みは大変参考になるものであった。

このページの内容に関するお問い合わせ先

議会事務局 議事課 議事調査係

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