趣旨
古川龍生(ふるかわ りゅうせい、1893から1968)は小山市羽川に生まれた木版画家です。
栃木県立宇都宮中学校から逗子開成中学校を経て25歳のとき東京美術学校日本画科予科に入学、日本画家の結城素明に師事しますが、卒業後は木版画の制作に没頭しました。
活躍の舞台は主に日本創作版画協会展、春陽会展で、1934年にはパリで開催された日本現代版画展に出品し、その中の一部がパリ国立図書館い収蔵されています。
1944年に戦火を避けて故郷に疎開してからは、農業会会長を務めるなど地元の農業振興のために力を尽くす日々を送ります。
1951年、58歳で画業を再開すると故郷で農業に携わる生活の中からテーマを得た作品などを発表し、75歳で亡くなるまでたゆまず創作を続けました。
古川の作品は、自然と人間の本来のあり方をテーマに、昆虫を主人公にした《昆虫戯画巻》シリーズ、名も知らぬ花や雑草、故郷の田園風景、スポーツをする人などを、あたたかみのある色彩と繊細な線を使った詩的な画風に特徴があります。
ただし、ほとんどの作品が1枚しか刷られなかったため作品数が少なく、没後はその作品をまとまって鑑賞できる機会は多くありませんでした。
本展覧会は古川の没後50年を記念して開催するもので、古川作品のほとんどを収蔵する栃木県立美術館所蔵品から選りすぐりの39点をご紹介いたします。
この機会に、故郷の自然を愛し、人間と自然の共生を色彩豊かな木版画で表現した貴重な作品群をぜひご覧ください。
開催概要
会期
平成30年5月2日(水曜日)から6月3日(日曜日)まで
会場
小山市立車屋美術館 栃木県小山市乙女3-10-34
開館時間
9時から17時(入場は16時30分まで)
休館日
毎週月曜日、5月25日
観覧料
一般400円、高校・大学生250円
- 中学生・義務教育学校生以下無料
- 障がい者手帳をお持ちの方と付添1名無料
おやまミュージアム割引
小山市立博物館の半券(平成30年4月以降の日付印があるもの。年度内、1回限り有効)で一般100円、高校大学生50円を割引
20名様以上の団体料金
一般300円、高校・大学生150円
特別無料公開日
5月4日みどりの日、5月5日こどもの日、5月18日国際博物館の日
- 古川龍生展および小川家住宅の観覧料が無料になります。
主催
小山市立車屋美術館、栃木県立美術館
後援
朝日新聞宇都宮総局、NHK宇都宮放送局、エフエム栃木、産経新聞社宇都宮支局、下野新聞社、テレビ小山放送、東京新聞宇都宮支局、株式会社とちぎテレビ、栃木放送、毎日新聞宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局
関連プログラム
ギャラリートーク
講師
石田 友里氏(栃木県立美術館研究員)
日時
5月6日(日曜日)14時から
場所
小山市立車屋美術館 企画展示室
- 申込不要(要観覧券)
スタディプログラム「プレス機を使わない版画―石膏刷り講座」
講師
秋山 佳奈子氏(アーティスト)
日時
6月3日(日曜日)13時30分から16時
場所
小山市立博物館(小山市乙女1-31-7)
定員
15名(対象小学生以上、材料費500円)※お申し込みが必要です。