2011年9月18日(日曜日)から11月3日(木曜日・祝日)
戦国の世にあって、武士たちは領地・領民を守り、地域の覇権を競うため、甲冑を身に着けて戦に赴きました。この甲冑は単に身を守るためだけのものではなく、その威勢を他に知らしめる役割を担うとともに、戦場での活躍を誇示する役割をも果たしたため、つくりや色彩に一際目立つ工夫をこらしたものが登場します。
特に頭に頂く兜には、奇抜なアイデアで形作られた「変わり兜」とよばれるものがあり、兜の正面や側面、背面に様々な物象を象った「立物」を付けたものなど、ユニークで人目をひく造形のものが作られました。
今回の展示では、こうした「変わり兜」や「変わり具足」を数多くお持ちの(社)日本甲冑武具研究保存会理事、松本国彦氏のコレクションの中から、戦国時代から江戸時代にかけての資料を展示し、その形に込められた武士たちの美意識や、現代人の造形センスをも凌駕する、その驚きのデザイン感覚を紹介します。

鉄銀陀美塗突パイ形兜
鉄八枚をあわせて筋伏せとし、突パイ形を形成し、銀陀美塗とする。脇立に沢潟を、前立には獅噛を挿し、天辺にはヤクの毛を挿入する。

象鼻形兜
鉢の部分は練革で形成され、前正中上部に象鼻、両側面には兎のような耳をつける。

鉄錆地一枚打出鮑和製南蛮兜
(大鮑脇立付)
一枚の鉄板を打ち出して形成した兜鉢で、前後に鎬を立て、腰巻には切鉄で装飾を加える。左右側面に木製の大鮑脇立物を挿す。
入館料大人200(100)円、大・高生100(50)円、小中生無料
( )内は20名以上の団体