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  • 【更新日】2024年1月15日
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教育経済常任委員会視察報告(令和5年10月2日から4日)

大阪府大阪狭山市「さやりんポイント事業について」​

大阪狭山市は大阪府東南部の丘陵と平野の接点に位置している。市のほぼ中央に大阪府内第2位のため池「狭山池」があり、この狭山池は日本最古のため池と言われている。縄文・弥生時代の遺物も出土し、灌漑用水源として、各時代を通して大きな役割を果たしてきた。平成27年3月に国史跡に認定され、平成28年には築造から1400年を迎えた。

さやりんポイント事業は新型コロナウイルス感染症により、社会経済活動が停滞している状況の中で、感染防止策を講じつつ、社会経済活動を成長軌道へ戻すことが急務であることを背景に、市内事業者での商品の購入やサービスの利用を促進し、地域経済の活性化を図ること及び、行政への市民参画の促進や関係人口の増加を図ることを目的として開始したとのことであった。

導入のポイントは(1)市内のみで効率的・効果的にお金を流通させる、(2)アプリを活用することで、店舗側の決済や、精算の事務負担が減る、(3)どのような年齢層の方がどのような店舗で買い物をしているかなどデータが可視化され、データ活用の可能性が生まれること、などがあげられた。また、さやりんポイントを活かしたまちづくりのイメージは、今まで「行政⇔市内事業者」、「行政⇔市民」、「市内事業者⇔市民」と相互通行であったものを「行政→市民→市内事業者→行政」の一連の繋がりを持てるような仕組みを構築することであるとのことだった。具体的には、行政が市民にポイント付与等インセンティブを渡し、市民が市内事業者で購入。市内事業者の収益が増加すれば行政の税収も増加するといった市内で経済を循環させるものである。

令和4年度にはさやりんポイントカードを世帯ごとに送付し、市民1人につき5,000円分のポイントを付与。さらに専用アプリではクレジットカードまたは全国のセブンATMから現金でチャージするとチャージ額の40%のポイント(上限4,000ポイント)を追加付与するキャンペーンを行った。キャンペーン終了日以前に予算上限に達し、終了となるほど好評であったとのことだった。

令和5年度は、より内容を拡充させ新たにチャージ機能付ポイントカードを発行し、専用アプリまたはカードにチャージすることでチャージ額の30%のポイント(上限3,000ポイント)の付与及び、市内ボランティアや講座に参加することでポイントを付与する予定であるとのことだった。

さやりんポイント事業は市内にお金を流通させることだけでなく、市民が行政に参画できるような仕組みとなっており、大変参考になる事例であった。

和歌山県橋本市「農業振興条例について

橋本市は、和歌山県の北東端、紀伊半島のほぼ中央に位置し、和歌山市、大阪市の中心部への距離は直線でともに約40Kmであり、京阪神エリアへの交通も便利で、緑豊かな田園である。昭和50年代からの大規模住宅開発を契機に一時人口が急増し、住宅都市として発展してきた。しかし現在は人口が減少していることから、積極的な企業誘致や、新たな工業団地の造設等を行っており、それに伴い移住定住のための定住支援にも取り組んでいる。

農業振興条例は昨今の農業の担い手不足や耕作放棄地の増加などの課題を解決するため、農業者だけではなく、市民全体で農地と里山を守っていくことを目的として令和3年4月1日に施行された。条例制定に至った背景としては橋本市は総面積1万3000haのうち約2,000haが農地であり、そのうちの2割が遊休地、荒廃農地となっていること、農地の6割は70歳以上の農業者が所有しており、全体の3分の1が後継者にめどが立っていないことなどがあげられるとのことだった。

農業における市民、農業者、行政の役割として、市民は地産地消を通じて、農業および農村の振興に努めること、農業者は農地を適正に維持管理し、安心安全な農産物を供給すること、行政は地域の特色を生かして安定した地域農業を確立できるように支援に努めることをあげていた。

農業振興条例に基づく様々な補助事業を行っており、中でも農産物等インターネット販売促進事業、橋本ふるさと便事業が印象的であった。

農産物等インターネット販売促進事業は、インターネット販売に係る販売手数料上限50万円、印刷物の作成に係る印刷費上限10万円を補助するものであり、オンラインサイトにて自ら生産した農産物販売を促進するものである。行政では登録農業者には高齢の方も多いため、登録等のネット上の手続きの補助など伴走型の支援も行っている。

橋本ふるさと便事業は、指定事業者として登録されている店舗で消費者が購入した農産物を全国の家族や友人に宅配便で送る際に発生する送料を事業者で立て替え、市が送料を事業者に対して補助を行うものであるため、消費者の送料負担がなくなるというものであり、農業関係者の販路拡大と所得向上を図ることを目的としている。

橋本市の特産である柿は、ふるさと便事業の効果もあり、指定事業者となっている直売所では午前中のうちに完売するなど、消費者に大変好評な制度とのことであり、大変参考になる事例であった。

愛知県豊橋市「まちなか図書館について

豊橋市は愛知県の東南端に位置しており、南は太平洋、西は三河湾に面した温暖な気候に恵まれたところである。かつては「穂国(ほのくに)」と呼ばれていたが、鎌倉時代に豊川に今橋という橋が築かれたことから「今橋」と呼ばれるようになった。その後は戦国時代に「吉田」に改称し、江戸時代には東海道五十三次34番目の宿場町として栄えた。明治時代に現在の「豊橋」になり、中核市として東三河の中心都市として発展してきた。

まちなか図書館は、平成18年に策定された「豊橋市図書館整備構想」において図書館建設を目指す方針を示し、平成23年には関係権利者による準備組合を設立。賑わいの創出や商業の活性化、まちなか居住の促進など、都市機能の向上に向けて官民一体で再開発事業の検討を進めてきた。その後、平成27年に整備基本計画を、平成28年に実施計画を公表し、整備を行ってきた。

令和3年11月に開館してからはわずか2年弱で来館者数が100万人を突破するなど豊橋市の市民にとって愛される施設となっている。「世界を広げ、まちづくりに繋げる“知と交流の創造拠点”」をテーマに掲げ、誰もが気軽に訪れ、安心できる居場所を提供することを目指しているとのことだった。

従来の私語厳禁で静かな図書館というイメージを覆すようなものであり、大型スクリーンを活用した上映会などを行える中央ステップや、キッズスペース、さらにはカフェも整備されており、利用者の多くはコーヒーを片手に読書をするなどしていた。また様々なイベントも隔週で行われており、海外留学生とのフリートークイベントや、キッズスペースで読み聞かせ等を行うおはなし会など幅広い年代が参加しているとのことであった。

豊橋市内には4つの図書館があるが、まちなか図書館の令和4年度の1日の来館者数は平均1,731人、新規での登録件数が6,490件となっており、他の図書館に比べかなりの利用者を獲得してきた。また、時間別で見ても昼間は主婦や高齢者が多く、夕方になると学生が来館するなど1日を通して賑わいを見せていることが分かった。

まちなか図書館が創出する駅前の賑わいや、図書館の新しい形に触れることができ大変参考になる事例であった。

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