食べることは生涯にわたって続きます。生涯にわたってイキイキと生きるために、食べることについて少し考えてみませんか?
食育、知っていますか?
「食育」は様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を身につけ、健全な食生活を実践できる力を育むことです。子どもはもちろん、大人になってからも、生涯にわたって「食べる力」=「生きる力」を育むことが重要です。
出展:農林水産省 「第4次食育推進基本計画」啓発リーフレット
食育で育てたい「食べる力」
- 心と身体の健康を維持できる
- 食事の重要性や楽しさを理解する
- 食べ物の選択や食事づくりができる
- 一緒に食べたい人がいる(社会性)
- 日本の食文化を理解し伝えることができる
- 食べ物やつくる人への感謝の心
これらは、子どものころから家庭や学校、地域など様々な場所で学び、身につけていくものです。そして大人になってからも生涯にわたって実践し、育み続けていくものです。
楽しく食べる子どもに
食事をするのが楽しいという気持ちを持つことはとても大切です。楽しく食べることは、身体的、精神的、社会的健康につながるものです。子どもにとって、食事の楽しさは、食欲・健康状態・食事内容・一緒に食べる人・食事の手伝いといったことと関連しています。
「楽しく食べる子ども」に成長していくために、次の5つの姿を目標にしてみましょう。
食事のリズムがもてる
空腹感や食欲を感じ、それを適切に満たす心地よさを経験して学んでいきます。
離乳完了期ごろから、睡眠・食事・遊びといった活動にメリハリが出てくるので、十分に遊び、一日3回の食事と間食を規則的にする環境を整えましょう。おなかがすくリズムを経験することができ、それを繰り返していくことで生活リズムが作られていきます。
食事を味わって食べる
いろいろな食品に親しみ、見て、さわって、自分で食べようとする意欲を大切に、味覚など五感を使っておいしさの発見を繰り返しながら学んでいきます。
一緒に食べたい人がいる
家族や仲間などとの和やかな食事を経験することで、安心感や信頼感を深めていくことが重要です。安心感や信頼感をもつことで、人や社会とのかかわりを広げていくことができます。
食事づくりや準備にかかわる
食卓にお箸やスプーンを並べる、食材をちぎる・混ぜる、ご飯をよそう、簡単な料理を一品作るなど年齢に応じたお手伝いをしてもらいましょう。また、一緒に食材を買いに行く、野菜を育てて収穫するなど、食事づくりにかかわる活動を一緒にしてみましょう。食事への興味が増したり、家族や仲間のために作ったり準備したりする満足感や達成感を得ることができます。
食生活や健康に主体的にかかわる
幼児期から食事づくりや食事の場面だけでなく、遊びや絵本などを通して食べ物や体のことを話題にする経験を積んでいきましょう。思春期には自分の身体や健康を大切にする気持ち・態度を身につけ、食に関する情報のアンテナを社会に広げるようにしていけると良いですね。
子どものライフステージごとの目標~発育・発達に応じた「食べる力」~
乳児期(授乳期・離乳期)~食べる意欲の基礎づくり~
- 安心と安らぎの中で母乳や育児用ミルクを飲む心地よさを味わう
- いろいろな食べ物を見て、さわって、味わって、自分で食べようとする
幼児期~食べる意欲を大切に、食の体験を広げよう~
- おなかがすくリズムをもてる
- 食べたいもの・好きなものが増える
- 家族や仲間と一緒に食べる楽しさを味わう
- 栽培・収穫・調理を通して、ワクワクしながら食べ物にふれる
- 食べ物や身体のことを話題にする
小学生(学童期)~食の体験を深め、食の世界を広げよう~
- 一日3回の食事や間食のリズムがもてる
- 食事のバランスや適量がわかる
- 家族や仲間と一緒に食事づくりや準備を楽しむ
- 自然と食べ物のかかわり、地域と食べ物とのかかわりに関心をもつ
- 自分の食生活を振り返り、評価し、改善できる
中学生・高校生(思春期)~自分らしい食生活を実現し、健やかな食文化の担い手に~
- 食べたい食事のイメージを描き、それを実現できる
- 一緒に食べる人を気遣い、楽しく食べることができる
- 食料の生産・流通から食卓までのプロセスがわかる
- 自分の身体の成長や体調の変化を知り、自分の身体を大切にできる
- 食にかかわる活動を計画したり、積極的に参加したりすることができる
参考