備えない防災 ❞フェーズフリー❞
❞フェーズフリー❞とは
「災害から自分自身や大切な人を守るための備えは十分ですか?」
この質問に、皆さんは「十分備えている」と答えることができるでしょうか。
「災害の状況を想像できない」「防災が大事なのは分かるけど、何をどのくらい準備しておけば良いのか」・・・。
そんな皆さんに知っていただきたいのが「備える」けど「災害のためだけに備えない」防災=❞フェーズフリー❞です。
❞フェーズフリー❞とは、「いつも」と「もしも」の2つのフェーズ(局面)をフリー(自由)にするということです。
「いつも=日常時」と「もしも=非常時」を分けることなく、日常の身の回りで使っているモノやサービスを災害時にも役立てよう!という考え方です。
❞フェーズフリー❞の具体例
「備蓄品を買っておいたのに消費期限が過ぎていた」「防災ラジオを使おうと思ったら壊れていた」などは、防災備蓄によくある話です。
また、「備蓄品を置くスペースがない」「防災用品は高い」などの理由から、なかなか備蓄が進まないのではないでしょうか。
そこで、❞フェーズフリー❞で備えるモノ・サービスを、4つのカテゴリに分けて紹介します。
1 アウトドアや職場などで、普段から日常的に使用しているもの
例)・ キャンプ用品のテントや寝袋、カセットコンロなどを災害時に使う。
・ 工場などで働く方が、業務で使用しているヘルメットを避難時に使う。
2 日常のモノやサービスにひと工夫することで、非常時でも活用できるもの
例)・ 水や食料品、トイレットペーパーの日用品などを多めに買い置きし、古いものから順に使って、減った分を買い足す。(ローリングストック)
・ 社会科の授業で、災害時に危険な場所を確認する。
3 普段使っているもので、非常時もそのまま使えるもの
例)・ 水に強いボールペン(日常時も雨でも書ける)
・ 外国人観光客向けの翻訳サービス(そのまま災害時の情報取得に)
・ 防災ラジオ(災害時の緊急情報取得に)
4 本来持つ機能が、非常時に別の用途・機能で活用できるもの
例)・ ハイブリット車やPHEV等の電動車(災害時にモーターとバッテリーを電源として活用)
・ かまどベンチ(災害時は炊き出し場として使用)
この他にも、気付いていないだけで、災害時に役立つものはたくさんあります。
日常の生活の中で、「これは災害時にも役立つのでは」という❞フェーズフリー❞の視点を取り入れることで、「備える」という特別な意識を持たなくても災害に備えることができます。
「いつも」の行動で「もしも」の備えを!
災害から自分自身や大切な人を守るためにも、「今から自分ができること」を考えて取り入れていきましょう!