三重県松阪市【松阪市議会だより「みてんか」の編集・発行について】
松阪市は、三重県のほぼ中央に位置し、東は伊勢湾、西は高台山脈と高見山地を境に奈良県に接し、南は多気郡、北は雲出川を隔てて津市に接している。総面積は623.58平方キロメートルで、人口は約15万9千人である。平成17年1月に松阪市をはじめとする1市4町が合併して現在の姿となっている。
今回行政視察をした松阪市議会だより「みてんか」のネーミングは、【見てほしい】の方言や【未添加】ありのままを見てほしいといった願いを込めたものである。
「みてんか」については、平成26年8月に広報広聴委員会を設置し平成27年6月号から紙面を大幅リニューアルしたもので、市民が従来の議会だよりを手に取ってもらえないことが、そのきっかけとのことであった。
紙面リニューアルの目玉である表紙については、従来採用していた写真よりイラストの方が市民の目を引くと考え、市内にある松坂工業高校の生徒に依頼して書いてもらったところ、大変好評であったとのことである。現在の応募状況については10件程度あり、残念ながら表紙に採用されなかったイラストについても他のページに掲載されている。
また、より見やすいレイアウトにするため、広報委員の研修参加や、民間の事業者への編集依頼などの取り組みをしているとのことであった。
紙面の作成方法における小山市議会との大きな相違点として、一般質問の原稿作成は、質問部分だけでなく答弁部分も議員が作成し、事務局は会議録との整合性をチェックをするという点が大変興味深かった。
平成27年の大幅リニューアルの後も、平成29年度に音訳ホームページへの掲載、市ホームページへの電子ブックの掲載、平成30年度に一般質問記事へのQRコード掲載、令和元年度に閉じ穴を開けた。現在は、発行を1ヵ月早める等の協議を継続しているとのことであった。
一方で、課題については、縦書き横書き等の相違により市の広報誌と整合性が取れていないこと、表紙の募集について、広く募れていないこと、全戸配布のためコストがかかるなどの問題があるとのことであった。
紙面の大幅リニューアルした後も、広報広聴委員会が主体的に問題点を検証しながら改善を続けている松阪市議会の取り組みは、小山市にとって大変参考になる事例であった。