兵庫県宝塚市「市コミュニティFMによる議会情報の発信について」
宝塚市は人口約23万人、市域面積101.89平方キロメートル、兵庫県南東部に位置する市で、宝塚歌劇団の本拠地である宝塚大劇場があり、「歌劇の街」として全国的に有名である。
宝塚市のコミュニティFM放送局である「エフエム宝塚」は、阪神・淡路大震災の際に、被災地での情報伝達にFM放送が有効であったことから、平成12年9月25日に開局し、発行済株式のうち半分を市が所有する株式会社である。エフエム宝塚に番組制作及び放送業務委託をしており、市議会においても市の放送枠を使用し放送を行っている。
FM放送の発信の経緯としては、開かれた議会運営を検討するため、平成8年に設置した「議会運営等を検討する委員会」において、本会議のFM放送による公開が検討され、平成18年度中に実施することが決定され、平成18年度に、本会議の公開に先立ち、5分番組の「市議会ニュース」の放送を開始し、平成18年10月2日から、同年9月定例会での一般質問の放送を開始した。
現在の放送内容は「市議会ニュース」、「一般質問放送」、「正副議長等インタビュー放送」で、「市議会ニュース」は、市議会に関する情報を毎週月曜日と木曜日の11時55分からの5分間でエフエム宝塚のパーソナリティーが読み上げる。
「一般質問放送」は、本会議での一般質問の内容を、収録業者が録音し、編集したものをノーカットで放送している。「正副議長等インタビュー放送」は、正副議長や予算・決算の正副委員長、3常任委員会の委員長、広報広聴委員会正副委員長等の出演により、エフエム宝塚のパーソナリティーが議会のことについて質問をする形式で録音し、編集したものを放送している。
また、宝塚市議会ではコミュニティFM放送以外での議会情報の発信として、広報広聴委員会において、SNSを活用した広報手段の実施が検討され、実名方式であり比較的に炎上等が少ないと思われるフェイスブックを採用し、平成26年10月23日から運用を開始している。
小山市も平成29年11月4日にコミュニテFM放送局である「おーラジ」が開局したことから、宝塚市の取組みは、議会報をはじめとする情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用しており、今後の議会広報活動において大変参考になる事例であった。