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  • 【更新日】2021年11月16日
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総務常任委員会視察報告(平成29年10月2日から4日)

広島県呉市「新庁舎整備について」

呉市は人口約23万人、瀬戸内海のほぼ中央部、広島県の南西部に位置し、瀬戸内海に面する陸地部と、島しょ部で構成される。市域面積352.80平方キロメートルで、市域全体を通じて平たん地が少ない臨海都市である。

呉市の本庁舎は、昭和37年4月に竣工し、築50年以上が経過していた。建て替えの経緯については、平成9年に本庁舎耐震診断基本調査を実施したところ、「震度6程度の地震で、せん断破壊のおそれがある。」との診断結果を受け、同年9月に学識経験者や市民代表から構成される呉市庁舎整備検討懇話会を設置し、平成11年3月には「財政的に大きな負担があるが、建て替えるべきである。」との最終提言をされた。この提言を受け、同年8月に庁内組織である呉市庁舎建設推進会議を設置し、建設手法や建設場所、組織統合の在り方等を検討してきたが、近隣8町との合併に伴う職員数の増加や組織の見直し、地方分権推進による新たな事務等が発生したことや、国の三位一体改革や経済情勢の変化による影響のため、財政状況が急速に悪化する中、庁舎建設の検討は一旦保留となった。平成20年度呉市財政集中改革プログラムを開始し、平成22年から呉市庁舎建設基金を設置し、年5億円の積立てを開始した結果、財源不足の解消がほぼ達成できる見込みとなったため、平成23年に第4次呉市長期総合計画で、庁舎整備の検討を重点プロジェクトに位置付け、平成25年10月から建設工事に着工し、平成27年12月に完成、平成28年2月より業務を開始している。事業費は約167億6千万円、建築面積約8,223平方メートル、延べ面積約37,780平方メートル、地上9階建て。

新庁舎の特徴としては、『市民と共に~絆と信頼「安全・安心」の庁舎~』を基本コンセプトに、ホールや協働センターをシビックモール(屋内通路)で結び、一体的な活用が図ることができ、また、災害に強い庁舎とするため、免震構造の採用や災害対策機能を充実し、大災害時にはこのシビックモールを核にフロア全体を災害支援活動の場にすることができる。このほか、これからのまちづくりを見据え、情報化社会におけるセキュリティ体制の再構築、社会情勢の変化にも対応可能な高機能で効率的な造りとなっている。市民サービスの観点からは、ワンストップサービスを導入した総合窓口やユニバーサルデザインに配慮し、自然換気や太陽光パネルを活用するなど、人にも環境にも優しい庁舎となっている。

呉市の新庁舎建設の経緯は、現在の小山市の新庁舎建て替えの経緯と共通する部分が多く、平成33年度の小山市役所の新庁舎開庁へ向けた課題の解決において大変参考になる事例であった。

福岡県北九州市「ウーマンワークカフェ北九州の取組みについて」

北九州市は、人口約95万人、市域面積491.95平方キロメートルで、福岡県の北部に位置し、北側は日本海に、東側は瀬戸内海に面する九州の玄関口となっており、グローバル創業・雇用創出特区として国家戦略特別区域に指定されている。

北九州市では、女性の就業状況は全国と同様に、就業率がM字カーブを描くなどの多くの課題があった。そこで女性と若者の定着と活躍を大きなテーマとして「北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、このM字カーブの解消を図るため、具体的な目標値を定めるとともに、「(仮称)女性活躍推進センター」の早期開設に向けて取組みを進め、平成28年5月に、女性の就業、就業継続・キャリアアップ、創業、子育てについて、国・県・市がワンストップで総合的な支援を行う日本初の施設「ウーマンワークカフェ北九州」がオープンした。それまで、国・県・市が提供するサービスは市内各地に点在しており、市民は目的に応じて各施設の窓口を訪れる必要があったが、本施設のオープンにより、利便性が格段に向上し、平成29年1月末までの述べ来所者数は約13,000人に上り、オープン前の各施設における前年同期と比較しても利用実績は増加している。平成19年2月に現在の市長が就任し、同年10月に北九州市初の女性副市長の就任を機に、女性活躍推進体制を強化してきた。他都市における女性活躍の推進は男女共同参画推進課が中心となり、職員については人事部門へ、企業については産業経済部門へ検討を要請するのが一般的であったが、より効果のあるかたちで取組みを推進するため、平成20年に、人事部内に「人材育成・女性活躍推進課」を新設し、以後、人事部門主導でアクションプランの策定等を進めている。平成27年4月には、「女性の輝く社会推進室」を設置し、さらに体制を強化している。このような取組みを通じて、北九州市役所の女性管理職の割合は、平成20年度の6月2日%から、平成28年度には14.5%へ増加し、審議会等の女性委員比率も、平成20年度の31.6%から、平成29年度には50%を超えた。

北九州市のこの取組みは、全国的にも先進的な取組みで、大変参考になる事例であった。小山市では、女性の就業支援の窓口と子育て支援の窓口がわかれており、北九州市のように窓口を一本化して、女性の活躍のサポート体制を整備すべきと感じた。

佐賀県佐賀市「佐賀市Ict推進指針について」

佐賀市は、人口約23万人、市域面積431.84平方キロメートル、佐賀県の南東部に位置し、県内最大の人口を擁する、佐賀県の経済・行政の中心地。市域は南北に長く、市域の北半分は、北部九州を東西に貫く筑紫山地に属する脊振山地であり、起伏が大きい。市域の南半分は、有明海北岸に広がる筑紫平野の西部に属する佐賀平野であり、起伏がほとんどない低平な地域で、対照的である。

佐賀市では、「第2次佐賀市総合計画」が掲げる将来像「豊かな自然とこどもの笑顔がかがやくまちさが」を実現するための、Ict関連施策のあり方を示す最上位の基本方針として、Ictをツールとして有効活用するため、あらかじめその活用推進に関する基本的な考え方を明らかにし、平成27年度から平成31年度の5年間を対象期間とした「佐賀市Ict推進指針」を策定した。

また、佐賀市ではIct利活用によるペーパーレスに取組んでおり、平成25年度から議案資料室Dbを作成し、議案資料の内、予算書や決算書以外の資料をPDF化してDbに掲載することによるペーパーレスでは、紙約545,000枚、紙代及び印刷代1,145,000円を年間で節減している。平成26年度からはタブレット端末を導入し、幹部会議への利活用によるペーパーレスでは、紙約12,000枚、紙代及び印刷代約100,000円の年間での節減を見込んでいる。

さらに佐賀市では、Ict教育環境整備を行っており、Ictの利活用により学習意欲が向上することで授業における集中力を向上させるとともに自ら学ぶ力を養い、児童生徒の学力向上を図ること、教師の授業準備に要する時間を縮減し、教師の多忙化の解消を進めることにより、こどもと触れ合う時間を確保すること、教授法等の研究時間の確保につながり、教師の指導力の向上を図ることで教育の質を高めることを目的に、Ict利活用教育として、市内全小中学校に電子黒板、デジタル教科書、デジタル教材等の整備をしている。

小山市では、佐賀市と同様の「小山市情報化基本計画」を策定しているが、まだ十分に推進されているとは言い難く、佐賀市のような、タブレット端末を導入したペーパーレスや、小中学校へのIct利活用教育など、小山市のさらなるIct推進に大変参考となる事例であった。

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