つなげよう!救命の連鎖
心肺停止や呼吸停止となる可能性のある傷病を未然に防ぐことが重要です。
心停止の可能性がある方を発見したら、できるだけ早く119番通報を行い、できるだけ早く胸骨圧迫・人工呼吸を含む心肺蘇生を実施し、AEDを用いて電気ショックを行い、できるだけ早く医療機関で処置をすることが、大切な命を救うことにつながります。
AED(自動体外式除細動器)とは
AEDは「Automated External Defibrillator」の略語で、日本語では「自動体外式除細動器」と呼ばれる高度医療機器です。AEDは心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
日本では平成16年7月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所、救急車のほかに、学校やコンビニ、公共施設など多く人が集まるところに設置されています。
また、令和3年8月からオートショックAEDの使用が新たに認められ、普及しています。
AEDの使い方について、多くの市民の皆さんに知っていただき、ひとりでも多くの命を救いましょう!
AEDの使い方
1.電源を入れる
AEDのふたをあけて、電源を入れる。
AEDを使用するために、まず電源を入れることが重要です。電源を入れると、AEDは次に行うべき行動を音声で指示します。
AEDが到着したら、ふたを開けて電源ボタンを押してください。ふたを開けると自動で電源が入る機種もあります。
2.電極パッドを貼る
傷病者の衣服を取り除き、胸部を裸にしてください。
電極パッドの袋を開封してパッドを取り出し、素肌に直接貼ってください。電極パッドを貼る場所は、電極パッドにイラスト表示されています。
パッドを貼り付けた後、ケーブルのコネクターを本体の差込口に挿入する。最初から本体に接続されているものもあります。
ポイント
- 衣服を取り除く際や、電極パッドを貼り付ける際も、できるだけ胸骨圧迫を続けてください。
- 電極パッドと体の表面は隙間がないように密着させます。
- 傷病者の胸付近が濡れている場合は、タオル等でふき取ります。
- ペースメーカーや埋め込み型除細動器が胸に埋め込まれている場合は、胸の皮膚の盛り上がりから離れたところに電極パッドを貼ります。
- AEDを女性に使用する場合、パッドが素肌に直接貼り付けることができていれば、ブラジャーは必ずしも外す必要はありません。余裕があれば、AEDのパッドを貼った後に、上から上着やタオルなどを掛けてあげてください。
- 対象となる年齢制限はありません。子供であっても心停止と判断した場合には直ちにAEDをしようしてください。
3.心電図を解析する
AEDが心臓の動きを読み取り、電気ショックが必要かを判断します。
心電図の解析中は、電気ショックを行う必要があるかどうかを調べています。この間は傷病者に触れてはいけません。
4.電気ショック
解析の結果、電気ショックが必要な場合は充電が開始されて電気ショックが出来ます。
解析の結果、AEDが電気ショックが必要だと判断すると、「電気ショックが必要です」などの音声メッセージが流れ、自動的に充電が始まります。充電完了までは数秒かかります。
充電が完了すると、「ショックボタンを押してください」などの音声メッセージや、ショックボタンの点滅、充電完了の連続音がでます。
充電中や充電が完了したら、再び「みんな、離れて!!!」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認してからショックボタンを押します。
AEDから「電気ショックの必要はありません」などのメッセージが流れる場合には、電気ショックにより傷病者の心臓のリズムが戻った場合と心臓のリズムが電気ショックの適応外のリズムである場合があります。
※ショックボタンを有しないAED(オートショックAED)が普及しています。
電気ショックが必要な場合に、ショックボタンを押さなくても自動的に電気が流れる機種(オートショックAED)が普及しています。傷病者から離れるように音声メッセージが流れ、カウントダウンまたはブザーの後に自動的に電気ショックが行われます。必ず音声メッセージに従って傷病者から離れる必要があります。このタイプのAEDには、必ず下記のマークが貼り付けられていますので確認したうえで使用しましょう!
(画像提供:Jeita 一般社団法人 電子情報技術産業協会)
ポイント
- 電気ショックの際に、倒れている人に触れていると感電するおそれがあります。必ず誰も触れていないことを確認してください。
- AEDは、心電図を調べて、電気ショックの必要性を機械で診断するので、誤って心停止でない人に電気ショックを起こすことはありません。反応がなく、心停止を疑ったら積極的にAEDを使用してください。
5.心肺蘇生法の再開
ただちに心肺蘇生を再開します。
電気ショックが完了し、「ただちに胸骨圧迫を開始してください」など音声メッセージが流れたら、AEDをつけたままで、ただちに胸骨圧迫を30回、人工呼吸を2回の心肺蘇生法を実施します。
心肺蘇生法を再度実施中にAEDから指示が流れた場合(おおむね2分後)には、指示に従います。AEDから音声で指示が流れるため、1度AEDパッドを装着したら救急隊到着まではがさないでください。
傷病者が動き出したら、心肺蘇生法を中止し回復体位にして注意深く観察します。
ポイント
AEDから音声で指示が流れるため、1度AEDパッドを装着したら救急隊に引き継ぐまで電極パッドをはがさず、AEDの電源も入れたままにしておいてください。
普通救命講習について
大切な命を救うためには、市民の皆さんによる応急手当が重要となります。
小山市消防本部では心肺蘇生法やAEDの使い方を学ぶ講習会を年に数回実施しています。
ぜひ、普通救命講習を受講していただき、正しい知識と技術を身につけましょう。