小川家住宅
概要
小川家住宅は、近世の乙女河岸において肥料問屋「車屋」を営んでいた小川善平が、明治末期に日光街道(国道4号線)沿いに店舗や住居を移転し、その際に大半は新築したものですが一部は乙女河岸から移築したと考えられます。
表門以外は、建築時期や建設にたずさわった棟梁を確認できる貴重な遺構であり、特に主屋は内外部とも造りや保存状態がよく、近代和風建築としての価値も高い建物です。
現存建物のうち主屋・米蔵・肥料蔵・土蔵・表門の5棟が、平成19年8月に国登録有形文化財に登録されました。
主屋
木造2階一部平屋建、瓦葺。明治45年建築。
外部は純和風の造りで1、2階とも大半が座敷ですが、2階の西南の部屋は濃厚な洋風装飾をもつ洋室となっています。
米蔵(美術展示室)
土蔵造平屋一部2階建、瓦葺。明治44年建築。
内部を改修し、平成21年より美術展示室として利用されています。
肥料蔵(小川家関係資料展示コーナー)
土蔵造2階一部平屋建、瓦葺。大正2年建築。
倉庫ながら当時としては珍しい洋風小屋組みを用いています。
小川家に伝わる道具類等の資料を展示しています。
土蔵
土蔵造2階建、瓦葺。明治27年建築(44年移築)
小屋梁に残る墨書から、乙女河岸時代の遺構である可能性が強い建物です。
また、棟札の記述より明治44年に現在の場所に移築されたと考えられます。
表門
石造、瓦葺。
妻壁に洋風装飾をあしらうなど、堂々とした和洋折衷の造りです。
樹木について
小川家住宅には数多くの樹木が存在します。
これらの樹木は四季を通して様々に変化し、見どころの一つとなっています。
庭園に出て、近くで木々や花を見ることもできます。