小山市の伝統工芸品である「結城紬」は、鬼怒川に面した地域を中心に生産されている絹織物です。主な生産地域は、小山市の東部に位置する「絹地区」や下野市、茨城県結城市で作られています。
小山市内では、糸をつむぐところから機織りに至るまでの全工程を職人の手作業によって生産が行われており、古来からの変わらぬ製法が現代まで守られ続けています。
長い歴史の旅を職人と共に歩み、令和の時代まで受け継がれた奇跡の織物「結城紬」は、柔らかな肌触りで素朴な風合いがあり、いつまでも飽きのこない上品な雰囲気を漂わせています。
結城紬の始まりからユネスコ登録へ
結城紬の歴史
外部リンク
ユネスコ無形文化遺産「代表一覧表記載認定書」伝達式
重要無形文化財としての結城紬
形なき「技術」が指定
結城紬の生産には40以上の作業工程がありますが、その中でも、糸つむぎ・絣くくり・地機織りの3つの工程は国の重要無形文化財の指定要件とされています。結城紬の反物や着物自体が指定を受けたのではなく、職人たちが代々受け継ぐ「形なき技術」が指定されています。
糸つむぎ
糸はすべて真綿から手つむぎしたもの
「つくし」と呼ばれる道具に真綿を引っ掛けて糸を引き出し、「おぼけ」と呼ばれる桶に糸をためていきます。
絣くくり
絣の模様をつける場合は手くびりによること
絣の柄となる部分に墨で印をつけ、染料が染み込まないよう綿糸でくくり防染します。
地機織り
地機(じばた)で織ること
地機は最も原始的な織機と言われています。大きな特徴としてタテ糸を織り手の腰に装着し、糸のテンションを調整しながら織り進めます。