田園環境都市おやまビジョンとは
小山市は、2024年に市制70周年を迎えましたが、田園環境と都市環境の調和のとれた「田園環境都市おやま」を、将来にわたり持続可能なゆとりと潤いのあるまちとして発展させ、全ての市民の皆様が快適に暮らし、住みやすい、住み続けたいと感じられるウェルビーイングが実現できるまちづくりを進めています。そのため、市制100周年を迎える30年後の2054年の本市のあるべき姿を描き、市民・行政・企業等、本市に関わる全ての人々が共有していく指針となる「田園環境都市おやまビジョン」を、2022年度から3年間かけて市民の皆様と学び合い対話を重ねながら策定しています。
ウェルビーイング:個人の権利と自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態
ビジョン策定の取り組み
おやま市民ビジョン会議
田園環境都市おやまビジョンを策定するにあたり、幅広く市民や市内企業等のご意見を伺い反映させるため、 市民と行政がともにビジョンを考える「おやま市民ビジョン会議」を立ち上げました。会議のメンバーは市民委員25名で構成され、 30年後の小山市制100周年を迎える2054年に、こうあって欲しいという未来の小山市の姿の実現に向けて、「調べる」「学び合う」「対話する」を重ねながら、 田園環境都市おやまビジョンの策定を目指します。
また、ビジョンに関わる市民参加型のイベントをおやま市民ビジョン会議としてシリーズ化し、幅広く市民の意見を集める機会を創出していきます。風土性調査等を行った結果やそこからの学びを共有する報告会、必要な知識や考え方を学ぶ「学び合うセミナー」、 調査や報告会を通して感じたことや考えを意見交換する「語り合うワークショップ」を行っていきます。 そうして蓄積された知識・意見や共有した意識をもとに、 おやま市民ビジョン会議において市民のみなさまと一緒に「田園環境都市おやまビジョン」を策定していきます。
おやま市民ビジョン会議 委員会
市民委員25名と市職員がビジョンの策定に向けて30年後のあるべき小山市はどのような姿かを議論しています。
風土性調査や市民アンケートなどをもとにして、市民の声を反映させたビジョンにしていきます。
おやま市民ビジョン会議 イベント
学び合うセミナー
- 第1回「小山版SDGsを探る〜地域社会の持続可能性を支えるものは?」
講師として、一般社団法人環境パートナーシップ会議(関東地方 環境パートナーシップオフィス)高橋朝美氏をお招きしました。
未来ビジョンの軸となる「持続可能な地域社会」について、そもそものところから考えを深めるセミナーを開催し、45名の参加がありました。 - 第2回 「私やあなたの暮らしの「豊かさ」の指標を考える」
講師として、福岡県福津市津屋崎から慶応義塾大学大学院特任教授山口覚氏をお招きしました。
「これからの時代の豊かさとは?」を視点に、住みやすさの指標を考えるレクチャーをしてもらいました。 - 第3回「気候変動の時代に、おやまならではの「共生」を考える」
講師として、宇都宮大学国際学部教授の高橋若菜氏お招きしました。
カーボンニュートラルの取り組みは、誰一人取り残さないウェルビーイングな未来をつくる小山市にとってとても大切なことです。快適さを求める私たちの暮らしとカーボンニュートラルの取り組みは相反するのか。共生社会の実現と両立が可能なのか。
カーボンニュートラルと私たちの暮らしと地域社会のあり方を結びつけながら、高橋先生と一緒に学びました。 - 第4回「自然のめぐみも人のつながりも地域で好循環を!」
-農林事業を起点にウェルビーイングな未来を目指す飛騨市の事例に学ぶ-
講師として、岐阜県飛騨市農林部部長である野村久徳氏をお招きしました。
飛騨市の「朝霧プロジェクト(盆地霧発生を環境指標とした農村環境デザイン政策)」を紹介いただきました。
このプロジェクトは、自然の恵み(生態系サービス)の享受を基本として市民の健康・幸福・福祉(ウェルビーイング)を追求する本質的な取り組みであり、小山市ではどう循環型社会とウェルビーイングの実現がめざせるかを、法令、補助事業等を時に柔軟に解釈しながら、市民・企業・教育機関・行政の共同作業の可能性を参加者とともに考えました。 - 第5回「私たちはローカルで幸せを見つける~地域との関わりとウェルビーイング~」
講師として、『ソトコト』編集長の指出一正氏をお招きしました。
田園環境都市おやまビジョンは市民一人ひとりの「ウェルビーイング」を目指し、学び合いや対話を進めています。
指出さんは早くから『ソトコト』誌(2021/2022)や各地での講師やアドバイザーとしてのご活動の中で、その大切さを伝えていらっしゃいます。
今回のセミナーでは、指出さんから講演をいただき「ウェルビーイングなおやまの未来」を参加者とともに考えました。
語り合うワークショップ
- 第1回「無くしたい「不幸せ」と守りたい「幸福」から、おやまのウェルビーイングを考える」
さまざまな⽴ち位置の⼈が集まり、それぞれが考える幸せと不幸せから未来の小山市のウェルビーイングを考えました。 - 第2回「自然のめぐみ(小山の生態系サービス)からウェルビーイングな未来を考える」
生態系サービスとは、生態系がわたしたちの暮らしに与えてくれるめぐみ。
おやまの生態系サービスを考えることで、30年後のおやまも住みたい・住み続けたいと思えるウェルビーイングなまちにするために、現状を見つめ直しながら未来を考えました。 - 第3回「おやまの未来に、地域を支える「ひとの繋がり」をどうつくる?」
テーマを設定したテーブルを、カフェをはしごするように移動しながら、様々な立場 ・ 視点をもった人たちと交流することで対話を楽しむワールドカフェ方式で開催しました。
■テーブルテーマ
(1)地元民と移住者の関係
(2)自治会・消防団・育成会など地域の組織のこれから
(3)世代間の意識のギャップ
(4)農業や地域活動の担い手づくり
(5)子どもたちと地域の未来
(6)社会的に弱い立場の方々と地域の未来 - 第4回「4地区合同ワークショップ」
令和4年度末から令和5年度にかけて風土性調査が終了した大谷北中部・大谷南部・桑・絹地区を対象にしたワークショップを行いました。近接する他地区との「相互理解」を深め、それぞれ独⾃の課題意識や、共通する諸問題について、意⾒交換を⾏うことで、新たな視点や可能性を得て、
未来ビジョンの内容につなげていく場となりました。 - 第5回「人口減少時代の地域づくりとその支え手を考える」
講師:石井 大一朗先生(宇都宮大学 地域デザイン科学部 教授 地域防災部門長)
田園環境都市おやまビジョンづくりに向けての市民の皆さまへの聞き取りやアンケートでも、
「人口減少・少子高齢化」「担い手不足・後継者不足」「自治会運営の難しさ」が大きな悩みや不安となって語られています。
これから未来に向けて、地域の支え手をどう考えていけばいいのかを参加者とともに考えました。 - 第6回「田園環境都市おやまのライフスタイルを考える」
講師:西山 未真先生(宇都宮大学農学部 教授)
市民の皆さまへの聞き取りやアンケートから「小山市の農業や田園地帯を、市民でどう支えていくか?」が大きな課題として浮き彫りになっています。
食と農を軸に、田園環境都市おやまならではのライフスタイルを、ともに学び、語り合いました。 - 第7回「4地区合同ワークショップ」
令和6年度に風土性調査が終了した間々田地区・寒川地区・中地区・穂積地区を対象にしたワークショップを行いました。近接する他地区との「相互理解」を深め、それぞれ独⾃の課題意識や、共通する諸問題について、意⾒交換を⾏うことで、新たな視点や可能性を得て、
未来ビジョンの内容につなげていく場となりました。 - 第8回「将来世代とともに考えるウェルビーイングな未来実現への道」
30年後の小山を担う将来世代とともに、ビジョンの役割を改めて考え、市民一人ひとりのウェルビーイングの実現へのプロセスで「大切にすべきこと」を意見交換しました。
報告会
- 田園環境都市おやまのまちづくり 初年度成果報告会
令和4年度より本格的に開始した「田園環境都市おやまビジョン」策定の取組みも2年目に入り、さらに裾野を広げながら、市と市民の皆様とでビジョンの素案づくりにも着手します。この報告会は、初年度の取組みと成果を振り返り、現在の地域の足元をしっかりと確認しあいながら、市制100周年を迎える2054年の小山市の姿を私たちの言葉で描いていく第一歩となりました。 - 田園環境都市おやまビジョン策定中間報告会
田園環境都市おやまビジョン策定の取組みは、いよいよ最終年度に入り、風土性調査や市民アンケート、ワークショップなどのたくさんの意見のもとで基礎がつくられてきました。今回の報告会では、おやま市民ビジョン会議で策定してきた地区別ビジョンの発表、昨年度実施した市民アンケートを踏まえて分野別のビジョンをプロジェクトメンバーから報告しました。
今後も市民の意見と行政の方向性を織り交ぜ検討することで、小山市としてめざす姿を考えていきます。
特別編
- ファーマーズミーティング
風土性調査の結果などから、未来ビジョン策定において「小山市の農業や田園地帯」が鍵になると言う方向性が見えてきました。
まずは、農業従事者とともに行政が地区を超えて語り合う機会の創出が重要!と考えこのファーマーズミーティングを開催しました。
ほぼ全地区、年代も幅広く18名の農業従事者にお集まりいただき、おやま市民ビジョン委員と職員が一緒になって意見交換をしました。 - 私たちが描く「おやまの未来」座談会
30年後の未来に地域社会を担う世代の考えを、ビジョンづくりに反映させていくことは、とても重要かつ必要なことです。
小山市の学校に通う、または小山市から市外の学校に通う高校生、大学生を対象に参加者を募り、高校生・大学生計32名と職員が14名参加してもらいました。
意見交換前半は「小山市の重要な課題だと思うこと」「どうあって欲しいか」を、自由に語り合う時間を持ちました。後半は、未来ビジョンの軸になる「市民一人ひとりのウェルビーイングの実現」について話し合いました。 - おやま市民ビジョン会議イベント情報
- イベント開催レポート(おやまアサッテ広場)
風土性調査
30年後の⼩⼭の未来を描くために、まずは私たちが暮らしている地域の⾜元を⾒つめ直すことから。
⾵⼟性調査は、⼩⼭市全体を11地区にわけてそれぞれの地域の⼤地の成り⽴ちや⾃然、⽂化、伝統、地域のコミュニティのあり⽅などを、フィールドワーク、⽂献調査、聞き取り調査、アンケートなどを通して描き出し、その総合的な地域の姿を「⾵⼟」として地域の皆さんと共有するための取り組みです。
市民アンケート
田園環境都市おやまビジョンを策定するための基礎資料の一つとして、「30年後の本市のあるべき姿」と、そのために解消すべき様々な課題や必要な取り組みについて、市民の皆様のご意見を伺うため市民アンケートを実施しました。アンケートをもとに、市民の皆様の意識や希望等を把握し、市民生活をより良くするためには何が必要か、市民主体のビジョンとなるよう検討していきます。
おやまアサッテ広場
「田園環境都市 おやま」の未来を描きビジョンをつくる、まちづくり進行形ウェブマガジン「おやまアサッテ広場」では、風土性調査の活動記録やおやまの魅力を紹介する市民コラム、地域に生息する生き物が学べる生物多様性調査レポートなど、様々なコンテンツを通して田園環境都市おやまのまちづくりを発信しています。