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  • 【更新日】2021年11月15日
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建設水道常任委員会視察報告(平成30年10月22日から24日)

宮崎県延岡市「新庁舎建設について」

延岡市は、人口約121,000人、面積868.02平方キロメートルで、宮崎県の北部に位置し、北は大分県に接し、東は日向灘に面しており、平成19年の合併を経て、現在では九州で2番目の面積を有している。平成20年には、定住自立圏構想の先行実施団体の中心市の指定を受け、東九州の中心都市として発展してきた。

延岡市では、本市同様、庁舎の分散や、狭隘化による市民サービス機能の低下、駐車場不足、老朽化による安全性の低下、ICT化への対応が困難、市民のプライバシーが確保できないこと等、様々な課題を抱えていた。

そのような中、延岡市では「市民が安心して集う、まちづくりの拠点としての庁舎」という理想像のもと、

  1. 市民サービスの向上につながる庁舎
  2. 人と環境にやさしい庁舎
  3. 市民の安全・安心を支える庁舎
  4. まちづくりの拠点となる庁舎

を基本理念として新庁舎建設を進めてきた。そして、平成25年5月に第1期建設工事着手後、平成27年2月に高層棟が完成、平成27年8月に第2期建設工事着手後、平成28年10月に低層棟が完成し、延床面積18,384平方メートル、地上8階建ての新庁舎として平成28年11月にグランドオープンとなった。

特徴としては、市民サービス向上のため、窓口ゾーンや市民スペース等を充実させていることである。窓口ゾーンについては、市民アンケートの結果、来庁理由の70%が窓口業務であることから、1・2階に窓口部門を集約し、さらに、市民課窓口には、証明書発行を主に行う「クイックコーナー」と、各種届出や相談等に対応する「ステイコーナー」を配置している。まちづくりの拠点としての庁舎という観点から、市民広場を整備し、エントランスホール等と連携し多くのイベントを開催しており、市民スペースには市民ギャラリーやレストランも配置されている。また、防災拠点として、免震装置等も充実しており、台風や地震、集中豪雨などの自然災害に対し、電気や水道が途絶えた際も防災拠点として十分に機能できる庁舎となっている。

課題としては、分散していた庁舎が集約したことにより駐車場不足が深刻で、分散していた庁舎跡地等を駐車場として使用しているとのことであった。本市も分散した庁舎が集約されることから駐車場については慎重に検討していくことが大切である。また、空調設備について一括管理としたが、休日の庁舎利用や省エネを踏まえ、個別に管理できる部屋を設けたほうがよかったこと、土日の説明会等も十分考慮しセキュリティー対策の視点を踏まえ、市民と職員の動線もよく検討すべきこと、防犯カメラ等が後付けになってしまったので、それらについても事前によく協議したほうがよいこと等、多くの体験談を伺うことができた。

新庁舎建設を進める本市にとって、まちづくりの拠点としての庁舎という考え方や、本庁舎建設後の様々な課題等、参考になる事例が多くあった。

大分県大分市「大分駅周辺総合整備事業について」

大分市は、大分県のほぼ中央に位置し、北は別府湾、東は豊後水道に面しており、南西部には山々が連なり、温暖で降水量も多く自然条件に恵まれている。平成9年に中核市に指定され、現在では人口が約479,000人となり東九州の中核都市として発展を続けている。

大分市の中心地である大分駅周辺地区については、駅北側は戦災復興の区画整理により都市としての基盤が整備されはじめ、市役所等の行政機関や、銀行等の金融機関及び商業施設等が集約されてきたが、駅南側は鉄道により駅北地区と分断されていたことにより、駅北地区との一体的な発展が阻害され、低未利用地の存在や、踏切遮断による交通渋滞等、多くの問題を抱えていた。

このような状況の中、大分駅を中心に、その周辺地域の一体的な発展を図るため、「大分駅付近連続立体交差事業」「大分駅南土地区画整理事業」「庄の原在野線等関連街路事業」を3つの柱に据え、100年に一度の大事業として、大分駅周辺総合整備事業が進められてきた。

大分駅付近連続立体交差事業は、大分駅付近約5kmにおいて鉄道を高架することにより、鉄道により分断されていた駅北側と駅南側との市街地の一体化を図る事業である。当事業により、13ケ所の踏切を除去した結果、踏切周辺の渋滞が解消され、踏切事故の危険も軽減した。さらに、駅の南北を自由に行き来できる自由通路の完成により、駅南北の一体性と駅周辺地域の利便性が大幅に向上した。

大分駅南土地区画整理事業は、駅南側の市街地で利用されずに放置されていた土地や、鉄道の高架化に伴い発生したJRの土地を活用し、駅前広場やシンボルロード等を整備するとともに、駅近辺の高度利用を図り、良好な住環境及び商業環境等の整備を目的とするものである。実際に現地を視察すると、大分駅南口の駅前広場から、シンボルロード(大分いこいの道)となる広大なグリーンベルトが続き、多くの人々が行き交い、活気とともに、ゆとりのある空間を演出しているのが印象的であった。また、「駅南・情報文化都市」の拠点として、平成25年に敷地面積約19,000平方メートル、地下1階、地上4階建の複合文化交流施設「ホルトホール大分」がオープンしており、1,200席の大ホール等の文化施設から子育て交流センター等の福祉施設、さらに、産業活性化プラザや図書館等を有しており、現在、年間約200万人が訪れている。

また、駅北口の駅前広場では、大友宗麟とフランシスコ・ザビエルの出会いを表現したモニュメントが設置され、この2つの像の間には九州がBUNGO(豊後)と記されていた時代の世界地図が配置されている等、地域独自の歴史を活かした空間創りが印象的であった。さらに、無駄のないコンパクトなロータリーを整備することにより歩行スペースを広く確保し、樹木等を多く配置し、緑豊かなゆとりと潤いのある場を提供していた。

当事例は、駅南北の一体性を高め、周辺の有効高度利用を図りつつ、計画的にゆとりある空間や緑が整備されており、立地利便性を生かした定住促進策として小山駅周辺の整備を進める本市にとって大変参考になる事例であった。

福岡県大野城市 「大野城トレイル~自然と歴史の散策路~基本計画について」

大野城市は、福岡都市圏の南部、太宰府市の東に位置し、JRや西日本鉄道、九州自動車道等の交通網の発達した中核都市で、日本最古の山城「大野城」に由来し、古い歴史と豊かな自然に恵まれている。

大野城市では、昭和45年に約33,000人であった人口が現在では3倍の約100,000人となり、人口急増や都市化の進展による人間関係の希薄化が進んできたことから、人と人のつながりを大切にするコミュニティ都市形成のため、ふるさと意識を醸成するまちづくりを推進してきた。そのような中、活気あるまちづくり及び、市民のふるさと意識を醸成することを目的として、市独自の自然・文化・歴史を活用し、人々が笑顔で触れ合うことができる交流軸として「大野城トレイル」が整備された。

大野城トレイルでは、豊かな自然や歴史等の資源を最大限活用し、それらを効果的につなげ、それぞれのトレイルルートにテーマを設定しており、古代山城跡や大野城跡等を巡る「山城ルート」、巨大な古代防衛施設水城跡を巡る「水城跡ルート」、先人が築いたため池群を巡る「ため池ルート」、史跡を結ぶふるさとの川御笠川を巡る「御笠川ルート」、新旧のにぎわい旧大宰府往還と西鉄沿線を巡る「往還とにぎわいルート」、約300年間操業された窯跡牛頸須恵器窯跡を巡る「牛頸須恵器窯跡ルート」、牛頸の田園風景と牛頸川を巡る「田園と牛頸川ルート」の7つのルートで市内全域をカバーしている。

当事業においては、ハード面として、案内や誘導及び解説等に関わるサインの整備や、基点となる公園・城跡等の整備、ソフト面として、マップの作成や各種イベントの開催等に取り組んできた。既存の道路等を最大限活用し、基点整備に重点をおく等、工夫をして整備してきたということであった。また、クイズ等でポイントを貯め、大野城市の特産品がもらえる得点がある、「ジョークエスト」というゲームアプリを活用していることも特徴的であった。

今後は、認知度の向上や健康・福祉分野との連携、観光ボランティアの育成、自転車の活用等に取り組んでいくということである。また、4つのトレイルルートが重なる場所に、歴史・こども・にぎわいをキーワードとした市民ミュージアム「心のふるさと館」が平成30年7月に開館し、世代を超えた交流の場及びトレイルルートの重要な基点として位置づけられている。

本市においても、摩利支天塚・琵琶塚古墳や、渡良瀬遊水地等、古い歴史と、豊かな自然を有し、それらの有効活用に取り組んでいるところであり、固有の自然・文化・歴史等の資源を最大限活用し効果的に連携させている大野城市の事例はとても参考になるものであった。

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