大阪府泉大津市「あしゆびプロジェクトについて」
泉大津市は、大阪府の南部に位置し、北部・東部は高石市と和泉市、南部は大津川を境として泉北郡忠岡町と隣接している。はるかに六甲山、淡路島を望むことができる人口約7万3千人の都市である。
あしゆびプロジェクトは、幼児期から足の指を使った正しい姿勢と動作を覚え、体幹を安定させることが将来の健康づくりにつながるという考えのもと開始された事業である。対象者を子どもから高齢者までに設定し、(1)足指の力と足部のアーチ (土台)、(2)体幹 (軸)、(3)正しい姿勢と動作(骨格)の3つの柱をベースとした健康づくりに取り組んでいる。
また、幼児から高齢者までを対象に、あしゆびから展開する健康プログラムを官民連携、市民共創のもと実施している。官民連携については、民間事業者が持つ問題解決手法等を活用し実証実験を行い、産官学医が連携し、ビックデータの活用等による情報の収集を行っている。市民共創については、市民参加型プログラムを実施し、個々の状態や体質、特性を把握することにより、健康力を向上させている。
さらに、あしゆびプロジェクトに賛同する協賛機関とパートナーシップ宣言を結び、協賛機関が持つ技術等を集結し、あしゆびの改善と、からだ全体の健康との関係性を研究するため、市内全域でプロジェクトを実施している。
加えて、あしゆびプロジェクトの普及啓発については、専門家にあしゆびプロジェクトPRダンスを考案してもらい、PRダンス動画を発信している。また、高齢者の転倒は、バランス能力や下肢筋力の低下が原因と考えられることから、あしゆび運動を市民運動として広く周知している。
当事業は、幼児期のうちから取り組む、将来を見据えた健康への取り組みであり、大変参考になる事例であった。
大阪府池田市「ゴミの指定袋制等について」
池田市は、古くから街道が交わる交通の要衝として栄え、北摂地域の中心地として発展してきた。近年においては、大阪国際空港をはじめ複数の幹線道路が整備され、交通の利便性が高い住宅都市として栄えている。また、五月山の緑や猪名川の清流に囲まれた自然豊かな地域で、人口約10万4千人の都市である。
ゴミの指定袋制等の事業は、ゴミの最終処分場における受け入れ能力のひっ迫等により、ゴミの減量化が急務になったことから、ゴミの減量・資源化に取り組みゴミ処理施設の延命化や環境負荷の軽減を図る目的で導入した取り組みである。当事業では、「ゴミ処理経費の一部を有料にする家庭ゴミの指定袋制」、「粗大ゴミを処分する際の有料化」及び「資源ゴミの分別種類の追加」等、ゴミの減量・資源化に取り組んできた。また、ゴミの減量・資源化の促進で得た同事業の収入を環境基金として積み立て、環境に関する各種事業に利用している。
なお、事業の周知については、市民説明会の開催や啓発チラシの全戸配布等を実施してきた。
事業の見直しについては、事業開始よりさまざまな課題が浮上したため、池田市一般廃棄物処理基本計画や池田市環境基本計画を策定する等、新たな減量目標を設定し、指定袋の料金と粗大ゴミの処分料の改定を行い、家庭系及び事業系ゴミの削減を目指す見直す取り組みを実施してきた。
小山市も令和7年度からゴミ処理経費を入れない単純指定ゴミ袋制度を開始する予定であることから、大変参考になる事例であった。
大阪府寝屋川市「多胎児家庭支援事業について」
寝屋川市は大阪府の東北部にあり大阪市中心部からもアクセスが良く、大阪市と京都市の中間に位置し、交通の要所としての役割を果たしている人口約22万6千人の中核市である。
多胎児家庭支援事業は、令和2年度に、こどもセンターが実施したアンケートにおいて多胎児を育てる保護者から多くの声が寄せられたため、多胎児を育てる保護者の育児負担や不安軽減を図り、安心して妊娠・出産・育児ができる地域を目指し開始された事業である。
当事業は、以前から実施されてきた子育て支援と、新設事業を併せた総合的な支援を行う事業で、令和3年度から開始された。子育て世代包括支援センターが中心となり「切れ目のない支援」、「健やかな成長見守り支援」及び「仲間づくりサポート支援」等を実施している。
なお、新設された事業とは、多胎児妊娠期訪問指導事業、移動支援事業及び多胎児家庭交流会事業である。
多胎児妊娠期訪問指導事業は、切れ目のない重層的な支援を目的とし、地域助産師が子育て世代包括支援センターの助産師・保健師と連携し、対象者の支援を行う事業である。また、移動支援事業は、多胎児を連れての外出の負担軽減を図るためタクシー券を交付する事業である。そして、多胎児家庭交流会事業は、多胎児を妊娠している方や多胎児の子育てをしている方が参加し、交流会を通して、子育てに関する悩み・工夫・楽しさ・大変さ等を一緒に共有する交流事業である。
小山市では、小山市子ども・子育て支援事業計画を策定するなど、少子化対策及び子育て支援を市政の重要な施策として位置づけしているため、大変参考になる事例であった。