東日本初となる野外繁殖によるコウノトリのひなが誕生しました
渡良瀬遊水地の人工巣塔から頭をだしたコウノトリのひな
小山市では、平成24年(2012年)7月3日にラムサール条約湿地に登録された渡良瀬遊水地の「賢明な活用3本柱」のひとつとして、「コウノトリ・トキの野生復帰」を掲げ、環境にやさしい農業の推進等による「採餌環境の整備」と人工巣塔の設置等による「営巣環境の整備」に取り組んでまいりました。
こうした取組が奏功し、令和2年(2020年)3月22日にコウノトリ「ひかる」と「歌」のペアが誕生し、4月27日以降は2羽が交代で巣にしゃがみ込み、抱卵している様子が確認されておりました。
孵化予定日の5月30日には、ひなが孵化した時に見られる親鳥が餌を吐き出すような行動が観察され、6月6日にひなの姿を確認いたしました。
尚、野外繁殖によるコウノトリのひな誕生は、昭和46年(1971年)に国内野生コウノトリが絶滅し、平成17年(2005年)に兵庫県での野生復帰開始以降、東日本初の事例となります。
親個体について
【オス】「ひかる」4歳(個体番号:J0128)
平成28年(2016年)3月28日 千葉県野田市「こうのとりの里」生まれ
【メス】「歌」2歳(個体番号:J0181)
平成30年(2018年)3月13日 徳島県鳴門市(電柱巣)生まれ
推定孵化日及び孵化個体数
推定孵化日
令和2年5月30日
孵化個体数
少なくとも1羽(性別不明)
渡良瀬遊水地の監視ボランティア「渡良瀬遊水地見守り隊」にご協力いただいているコウノトリ行動観察記録及びテレビ小山放送株式会社が撮影した映像をもとに、コウノトリの保全に取り組む国内の飼育施設や行政機関等で組織されるIPPM-OWS(コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル)及び兵庫県立コウノトリの郷公園のご協力を得て判断いたしました(令和2年6月7日には、2羽の雛を映像により小山市が確認しました)。
観察時のお願い
- 繁殖期のコウノトリはとても神経質になっているため、観察や撮影は堤防上から行ってください。
また、大変危険ですので、路肩や路上など、通行の妨げとなる場所へは駐停車しないでください。 - 渡良瀬遊水地の小山市域では「渡良瀬遊水地の保全と再生及び賢明な活用に関する条例」によりドローンやラジコン等無人航空機の飛行が禁止されています。