高齢の伯母の介助をきっかけに、都内から小山に移り住んだ岡本さん。「夕日の綺麗さ」や「小山で採れた野菜はずっしりとしていて美味しい」といった、暮らしのなかで小さな魅力を日々感じているとのこと。
小山に移り住み約半年ほどが経ち、「地元にいた頃のようにマイペースに暮らせている気がします」と話す岡本さんに、小山での生活について話を伺いました。
岡本さん(おやま暮らし1 年目)
デザイナーのお仕事をする岡本さん
岡本さんが生まれ育ったのは埼玉県小川町。人口3万人弱で落ち着いた雰囲気の土地柄だったそう。
大学進学を機に都内で暮らし始め、卒業後はグラフィックデザイナーとして10 年間ほど都内の企業に勤めていた。
これまで様々なデザインを担当してきたが、全国で配布されるようなキャンペーン用のお皿をデザインした際は、親せきから「あのお皿見たよ!」といった反応があり嬉しさを感じたという。
都内の企業で大きな仕事を手掛ける一方で、デザインを必要としている方々の力になりたいと、個人で地方のコンペに応募することもあった。
デザインが採用され商品化もされたが、距離があることで完成までの道のりを見届けられず、我が子が手元から離れていくような気持ちだったことも話してくれた。
現在はフリーランスとしてデザイナーの活動を続け、業務提携というかたちで都内の企業と規約を結び、週2回ほど都内に通って仕事をしているほか、その他にも在宅で仕事をしているという。
大学の頃に仲良くしていた人たちが育った栃木県へ
高齢の伯母の介助に伴い、移住を検討することにした岡本さん。
移住先に求めたのは、「自然のある場所」と「都内への交通アクセス」だった。
条件に当てはまる場所は多く、地元の小川町や茨城県内など様々な候補地があるなかで、栃木県も候補の一つとしていた。
栃木県内で暮らしたことはないが、過去に出会った栃木県民が良い人ばかりだったので気になっていたという。
「大学の時に栃木県出身の友達が3、4人いて、仲良くしてもらっていたんです。県民性といっても人それぞれ違うとは思うのですが、本当に優しかったので良い場所なんだろうなという印象がありました」
その後、都内へのアクセスのしやすさから小山を移住候補地に選び、小山市の移住相談を活用することにした岡本さん。
仕事の話や車の免許を持っていないことなど、自身の状況を話しながら暮らしの相談をしたという。
「土地勘がなかったので大まかな場所の説明が聞けたのはありがたかったです。今思い返すと、車がないと駅までのアクセスが不便そうな物件を見ていました。相談というワンクッションがあるのは助かりますね」
相談を経て、「今よりもちょっと自由にできるような雰囲気がありそう」と感じたようで、小山に移り住むことを決めた。
日々の何気ない幸せと価値観の移り変わり
小山で暮らし始めて様々な気付きや変化を感じているという岡本さん。
都内で暮らしていた頃は3分から5分間隔で電車やバスが来ていたことから、カルチャーショックを受けたことを話してくれた。
「引っ越してきてすぐの頃、商業施設行きのバスを待っていたのですが、並んでいた人が乗り切れないことがありました。次のバスまで数十分あったのですが、当たり前のように待つ雰囲気に、『え、そんなに待てるの!?』と思ってしまいました」
それから月日が流れ、小山で暮らして約半年ほど。時間に対する感じ方が変わり、「効率ばかりが大切ではないな」と思うようになったそう。
人生観も少し変わったようで、日々の何気ない幸せを感じる機会が増えたという。
「人混みが無くて過ごしやすいですし、住んでいるところから夕焼けが見えるのですが、都内で見ていた時と色がちょっと違うかなという印象です。夕日の綺麗さとかもあんまり感じなかったのですが、幸せってそういうことなのかなって思うようになりました」
小山に馴染んできたというよりは、地元に住んでいた頃の自分に戻ってきたのかもしれないと話してくれた。
暮らしの中で見つけた楽しみと、これからの暮らし
日々の生活についても話を聞いてみた。徒歩圏内に小山駅があるため通勤には困らないとのこと。新幹線を使用すると1時間ほどで都内の職場につくという。
おばの病院に行くときはバスを利用し、バスの運行とタイミングが合わないときはタクシーを利用。車があると楽だろうなと感じることも話してくれた。
買い物は駅に隣接している食品売り場やコンビニを利用し、車がなくても生活はできてるようだ。また、歩いてすぐのコンビニでは小山市産の野菜が買えるので、すごくありがたいという。
「住んでみて気が付いたのですが、コンビニに小山市産の野菜とかが売っているんです。重さが東京と違ってずっしりと重いのに値段が安くて、伯母も歩いていけるのでありがたいです」
その他にも、まちなかを歩いていて、この先の楽しみを見つけたという。
「伯母とまちなかを歩いていた時にそれっぽい木を見つけて、『あれって桜の木だよね?』といった話をしています。夏に移住してきたばかりで、桜が咲いている様子を見られていないので、すごく楽しみです」
最後に、「せっかく小山に移り住んだのでお力になれることがあれば…」と話し、「ゆくゆくは地域に携わるお仕事もできたらと思います」と、これからの暮らしについてイメージを膨らませている様子でした。
おやま暮らしを考えている方へ!
岡本さんから、おやま暮らしを考えている方に一言!
小山駅で「小さな魅力が山ほどあります」というポスターを見かけましたが、本当にそうだなーと思います。
都市でありつつ、田園や自然も身近にあり、小さな日々の幸せに溢れている街だと思います。
この記事を書いた人