地震発生の仕組み
地震は地下で起きる岩盤の「ずれ」により発生する現象です。
では、なぜこのような現象が起き るのでしょうか。
硬い物に何らかの力がかかり、それに耐えられなくなると、ひびが入ります。
地下でも同じように、岩盤に力がかかっており、それに耐えられなくなったときに地震が起こる(岩盤がずれる)のです。
日本周辺では、海のプレートである太平洋プレート、フィリピン海プレートが、陸のプレート(北米プレートやユーラシアプレート)の方へ1年あたり数センチメートルの速度で動いており、陸のプレートの下に沈み込んでいます。
このため、日本周辺では、複数のプレートによって複雑な力がかかっており、世界でも有数の地震多発地帯となっています。
- 気象庁:地震発生の仕組み<外部リンク>
震度とマグニチュードの違い
震度は、ある場所が地震によってどのくらい揺れたかを表すもので、同じ地震であっても震源からの距離や地盤の揺れやすさなどで揺れの大きさは変わってきます。
日本では震度0から7までの数字で示されることになっており、5と6は弱と強に分かれているので全部で10段階となり、震度計を用いて震度を計ります。
小山市は中央町と神鳥谷に設置されております。
マグニチュードは地震そのものの大きさ(規模)を表すもので、マグニチュードが1大きくなると約32倍のエネルギー、2大きくなると約100倍のエネルギーを持つといわれています。
小山市の地震想定
小山市に影響をもたらす地震として、主に「茨城県南西部地震」「首都直下型地震」「東海地震」を想定しています。
茨城県南西部地震
茨城県南西部では、定常的に地震活動が活発であり、やや深いところ(50キロメートル前後)ではマグニチュード5から6程度の地震が数年に1回の割合で発生している。
首都直下地震
1923年の関東大震災(プレート型)とは異なる型で、ある程度の切迫性を有している。
南関東では、プレートの沈み込みによって蓄積された歪(エネルギー)の一部が、海溝型巨大地震に先立ちいくつかの直下地震により放出されている。
国(首都直下地震対策検討ワーキンググループ)の想定(平成25年12月19日)している都心南部を震源とする地震(地震規模モーメントマグニチュード7.3)が発生した場合、本市の一部地域で震度6弱となる。(平成25年度栃木県地震被害想定調査)
東海地震
南関東地域直下の地震の発生により震度6弱相当以上になると推定される地域の範囲(平成13年12月18日中央防災会議)
駿河湾沖においては、1854年の安政東海地震から約150年以上大地震が発生していないため、マグニチュード8クラスの大地震がいつ発生してもおかしくないと見られている。
そのため国は、東海地震発生時の被害想定や、地震防災対策強化地域の指定などを行っているが、本市は震度6弱が発生すると予測されている地域から距離があることから、強化地域には指定されていない。
当市は、最も甚大な被害をもたらす可能性が高い地震として、当市の直下で地震が発生することを想定しています。
この場合、次のようなことが起きて、普段の生活はできなくなるかもしれません。
- 家屋が倒壊する。
- 道路が寸断される。
- 家具が倒れる。
- 壁の歪みで窓やドアが開かなくなる。
- 電気や水道などライフラインの供給が止まる。
- プロパンガスのボンベや灯油のタンクが倒れて燃料が使えなくなる。
- 火事が起きる。(電気が復旧した後にも)
このような事態に備えるためにも普段からの「対策」が必要です。
地震が起きる前に、ご家族で次のようなことを話し合い、決めておきましょう。
- 避難所を確認しましょう
家族が離れ離れになった時の集合場所(避難所など)を決めておきましょう。 - 避難経路を確認しましょう
昼と夜の2回、自宅からの避難経路を歩いてみて、危険個所や休憩・トイレの場所などを確認しておきましょう。
また、火事などで通れない場合を想定して、複数の避難経路を確認しておきましょう。 - 連絡方法を決めましょう
安否確認の方法を決めておきましょう。(災害用伝言ダイヤルや伝言板・SNSなど)
また、遠方の親戚や友人などの連絡先もお互いに知っておきましょう。(被災エリア内同士では電話がつながらなくても、それ以外の地域とはつながりやすい場合があるからです。 - 一人ひとりの役割を決めよう
火の始末や非常用持出袋の担当は誰かなど、家族一人ひとりが果たす役割を決めておきましょう。
それぞれが役割を果たすことでパニックにならずに行動することができます。
大きな揺れに備えて
家の中の安全対策
家の中には意外に危険なものがたくさんあります。
地震のときに室内の家具が倒れ、いざ避難しようとしたときに家具が出口をふさようなこともあり、日ごろから家具を固定するなどの安全対策が必要です。
できることから実践し、たえず見直しながら安全を高めていきましょう。
家の中の安全対策のポイント
- 家の中に、家具のない安全なスペースを確保する
人の出入りが少ない部屋に家具をまとめるなど、少しでも安全なスペースができるように家具の配置を変えましょう。 - 出入り口や通路にものを置かない
玄関などの出入り口までの通路には、倒れやすいものを置かないようにしましょう。 - 寝室や子ども・高齢者などがいる部屋には、倒れそうな家具を置かない
寝ているときに地震が発生した場合、子どもや高齢者などは、倒れた家具に邪魔をされて逃げ遅れる恐れが高いので、注意が必要です。
置かなくてはならない場合は、倒れやすい家具を固定しましょう。 - 家具の転倒や落下を防止する対策をする
家具と壁や柱の間に隙間があると倒れやすくなり危険です。
また、家具の上に落ちやすいものを置かないようにしましょう。
※家具が転倒するとどうなるの?
倒れた家具の下敷きになってけがをしたり、室内が散乱することにより逃げ遅れてしまう場合があります。
以下を参考に、ご家庭の状況をチェックしてみましょう
- 食器棚
扉が開かないように金具を付けたり、扉が開いても中のものが飛び出さないように食器棚を固定している。 - 照明器具
1本のコードで吊るすタイプのものは、鎖と金具で3か所以上留めている。 - 窓ガラス
飛散防止フィルムを屋内側に貼っている。 - 本棚・タンスなど
壁面に接近させて置き、上部をL字金具で固定するなどの「転倒防止」をしている。 - テレビ
できるだけ低い位置に置き、金具や粘着マットなどで固定している。 - 暖房器具
ストーブは、対震自動消火装置のあるものを使用している。
また、石油ストーブの上部に洗濯物は干していない。
※寝室や出入り口付近で家具が固定できない場合は
- 寝ている位置に家具が倒れないような向きで置く。
- 自分の上に家具が倒れてこないように、机などで防御する。
- 家具が倒れてもドアが開くような位置・向きにする。
家の周囲の安全対策
家の周囲にも災害が発生すると危険なところがたくさんあります。
日ごろから気にかけて、危険個所の点検を心がけましょう。
一戸建ての安全対策ポイント
- 雨どい・雨戸
雨どいの継ぎ目がはずれていないか、雨戸の建てつけが悪くなっていないか確認し、問題があれば修修繕しましょう。 - 屋根
屋根瓦やアンテナが不安定になっていないか確認し、問題がある場合は補強しましょう。 - ベランダ
常に整理整頓し、落下する危険がある植木鉢やエアコンの室外機は配置を換えるか固定しましょう。 - 玄関まわり
自転車や植木鉢など、出入りの支障となるものは置かないようにしましょう。 - ブロック塀
土中にしっかりと基礎部分が無いものや、鉄筋が入っていないものは補強しましょう。また、ひび割れや傾き、鉄筋の錆がある場合は修理しましょう。 - プロパンガス
倒れないように、しっかりとした土台の上に置き、鎖で壁面に固定しておきましょう。
集合住宅の安全対策ポイント
- 玄関
玄関は、脱出口、避難経路として重要な場所。
開かなくなった扉をこじ開けられるようにバールなどを用意しておきましょう。 - 通路
避難や通行の妨げにならないように、自転車など、ものは置かないようにしましょう。
また、火事で燃え移らないように、古新聞や段ボールなどの燃えやすいものを置かないようにしましょう。 - 非常階段・非常扉
いざというときに安全に避難ができるように、通行の妨げになるようなものを絶対に置かないようにしましょう。 - ベランダの避難ハッチ(非常脱出口)
日ごろから、使用方法をよく確認しておきましょう。
避難器具の周りには、絶対にものを置かないようにしましょう。
※高層マンションでの注意点
一般的に高層ビルは耐震性が高いと言われていますが、建物が高いゆえに大きく揺れるという弱点もありますので、住民の方はその特性を理解し、しっかり備えることが大切です。
- 高層階(おおむね10階以上)では、揺れが数分続くこともあります。
大きくゆっくりとした揺れによって、家具が倒れたり、ものが落ちたり、大きく動くことがありますので、家具の転倒・落下防止対策を徹底しましょう。 - 大地震でエレベーターが止まってしまうと、物資を運ぶのが非常に困難となります。
そのため、日ごろから非常時備蓄品を多めに用意しておきましょう。
ケガをしないために
地震で負傷する場合の多くは、家具の転倒・ガラスの破片・落下物によるものです。
特に、寝室、子ども部屋のほか、高齢者や障がいがある方の居室は十分な配慮が必要です。
生活を維持するために
いわゆるライフラインがストップした時に、救援体制が整うまでの数日間(最低3日間)は自力でしのげるように、水・燃料・照明そして食料などを準備しましょう。
飲料水等(生活用水含む)
- 水は1人1日3リットルを目安に準備しましょう。
- 赤ちゃんや病人のいるご家庭では、さらに多くの水を用意しておきましょう。
- 風呂桶(バスタブ)に水をはっておくと、生活用水に利用することができます。
燃料
- 卓上コンロが手軽で便利です。予備のガスボンベも忘れずに用意しておきましょう。
- 固形燃料・炭・板切れや木切れを燃料にすることができる、七輪などの用具もあると役立ちます。
- 冬季の停電に備え、電池式のポータブルストーブも、できれば用意しておきましょう。
照明器具、携帯ラジオ
- 懐中電灯を家族の人数分用意し、暗闇でもすぐに使えるよう所定の場所に備えておきましょう。
- 予備の電池も十分に用意しておきましょう。
※ろうそくは火事の原因になるのでなるべく使わないようにしましょう。
食料品
- 缶詰や乾燥食品などの加熱調理あ不要のものやレトルト食品などを、普段から少し多めに買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食材を家に備蓄していく「ローリングストック」を活用しましょう。
- 米も、レトルト・フリーズドライ・アルファー米など長期保存ができるものをできれば用意しておきましょう。
- ローリングストックとは
情報
- 情報に接することは、心の安定を図る上で重要なことです。
- デマなどに惑わされないよう、正確な情報を得るために携帯ラジオを用意しましょう。
- 予備の電池も十分用意しましょう。
- 携帯電話(スマートフォン)などのワンセグテレビも災害時の情報収集に役立ちます。
防災情報取得
非常時に備え用意しておくもの
避難するときに持ち出すものです。
防災ガイドブックを参考にして、持ち出し品は最小限とし、両手が使えるようにリュックサックなどに入れておきましょう。
- 日用品
- 照明器具、携帯ラジオ
- 救急医薬品
- 貴重品
- 非常食・食料
- 衣類
- こんなものも必要です(赤ちゃん・高齢者がいる場合には、乳児用のミルクやおむつなど)
※感染症予防のため、マスク・除菌スプレー・除菌シートなども持っていきましょう。
避難の判断と避難するときの注意点
避難のタイミング
避難するかしないかは、ラジオ・テレビや行政などからの情報、自分の目と耳で確かめた情報をもとに判断します。
自分の安全が確保できれば、自宅内避難に努めましょう。
避難判断のポイント
- 倒壊等のおそれがあるとき
- 自宅が倒壊する恐れがあるとき、もしくは倒壊したとき
- 火災が拡大したとき
- 自宅で火災が発生し、火が天井まで燃え移ったとき
- 近隣で火災が発生し、延焼の恐れがあるとき
- 避難に関する情報が発令されたとき
- 市から避難情報が発令されたとき
災害時も自宅で生活することが目標
自宅を離れて避難所で生活することは大変不自由なことです。
自宅が安全であればプライバシーが守れるなど、精神的な負担も少なくなるので、住み慣れた自宅に戻り生活を続けましょう。
避難の心得
- 避難する前に、もう一度火の元を確かめ、ブレーカーを切る(通電火災の防止)
- ヘルメットや防災ずきんで頭を保護する
- 荷物は最小限のものにする
- 外出中の家族には連絡メモを残す
- 避難は徒歩で
- 高齢者や子どもの手はしっかり握る
- 移動するときは狭い道、塀ぎわ、川べり等を避ける
- 安全を最優先にし、最寄りの指定避難所へ
- 災害発生後、車で避難すると避難場所やその周辺等が車で混雑し、かえって避難が遅れます。
原則として車での避難はしないようにしましょう