「田園環境都市おやまのライフスタイルを考える」
8月25日おやま市民ビジョン会議*1 のワークショップが開催されました。
冒頭、浅野市長からごあいさつがあり、都市部の農村で生活したい人の移住をどう支援していくか。田園環境を楽しむライフスタイルのきっかけにしていただけたらとお話がありました。
次に、おやま市民ビジョン会議の阿久津座長からこのような官と民でビジョンを作るのは、非常によいとお話がありました。
続いて、宇都宮大学農学部教授の西山未真さんからお話がありました。
レクチャー 食と農を結ぶテーマ
西山さんは、食べてる人は、みんな、食、農の当事者と話し、(小山市の)都市マスタープランは、農村のことが語られていない。自己紹介として、私は半農半研究者の生活がしたくて益子に移住した。ゼミで「No Farms No Future」を掲げていると話し、学生と地域食堂や里山、水田の管理を行っている里山キャンパス「益子家」を紹介、食と農がグローバル化し、それが格差をもたらし、食と農の乖離につながった。お金がないと食べ物が手に入れられないと話しました。
そして、食と農を結ぶための4つのテーマについて話しました。
1 持続可能な社会
まず、持続可能な社会をつくる取組として、農地ゼロの墨田区と「つくる人」足利市で循環する関係をつくる、すみだ青空市ヤッチャバの取組を紹介しました。農産物だけでなく、コンポストで作ったたい肥を東武線で足利市に運ぶ取組も行っているとのこと。
しかし、都市と農村の二極分化はグローバル化とつながり難しい面があると話しました。
2 都市、農村、極として均衡
次に、都市は一方的に肥大化し、市場原理に任せるだけでは均衡は保たれない。統合・全体化のプロセスがないと話しました。
<都市的生活様式>=自然に逆らう
<農村的生活様式>=自然
両機能の重なる部分を充実していくことが大切と話し、例として
●直売所
●薪ストーブ
●食とエネルギーの地域自給
●半農半X
の取組を挙げました。
3 食から結びなおす地域のつながり
そして、地域の自給の範囲を示すフードシェッド*2 という考え方について話しました。
例として、宇都宮市で購入される農産物は、市場流通が25%、食と農の関係(市場外流通)が48%、宇都宮市と近隣5市町だと60%となり、宇都宮市と近隣5市町がフードシェッドですと話しました。
フィラデルフィアでは、貧困、飢餓対策として、コミュニティガーデン*3 を設置し、経済的支援とコミュニティの維持を図っている。
食はつながる。社会を結びつけると話しました。
4 何ができるか、小山の場合
今までの風土性調査*4 について
●人との関係、ほどよく求めている。
●自然資源の価値を認めつつ、その恩恵を受けている実感が弱い。
●開発より、平地林保全志向が強い。
●公共交通、農業、空き家への関心が強い。
と分析し、市内各地区でできることを挙げました。
小山地区
●コミュニティガーデン
●マルシェ(作り手が売り手)
大谷北部・中部地区
●直売所
●フードシェットの見える化
●ローカル流通
桑地区
●半農半X
●空き家+農地
大谷南部
●ライフスタイル実現モデルの構築
絹地区
●自然適応型農業
●利便性
最後に、小山として全体が循環するように考える点として
●農業展開の方向性
●ローカルフードシステム、大規模農家、学校給食
●フードシステムの複線化
●市場流通(グローバル)+市場外流通(ローカル)
●オーガニックビレッジの考え方を見える化
を挙げました。
用語
*1 おやま市民ビジョン会議…田園環境都市おやまビジョンについてワークショップ等を行う会議
*2 フードシェッド…地域自給の範囲(造語)
*3 コミュニティガーデン…地域の住民が共同で管理し、植物・野菜を植える場所
*4 風土性調査…地域ごとの独自の歴史や文化、小さな自慢といった小山の特性を、細やかに調べていく調査
ワークショップ
続いて、テーマを
1 田園都市おやまのライフスタイルとは?
2 そのライフスタイルを実現するために必要なことは?
として、ワークショップを行いました。
ワークショップでは6班にわかれ、
「1 田園都市おやまのライフスタイルとは?」について
自分の現状とこれからやりたいこと挙げ、
次に
「2 そのライフスタイルを実現するために必要なことは?」について
自分がやりたいことと市にやってほしいことを挙げ、
模造紙にまとめ、発表しました。
1班では
「1 田園都市おやまのライフスタイル」
について
●なるべく地産地消
●直売所で買い物する
●農家とつながる
などが挙がり、
「2 そのライフスタイルを実現するために必要なこと」
として
●良いものを広めたい!
●カーボンフットプリントの小さいものを買う
●VALに直売所をつくる
●人とつながるサポート体制
●イベント主催
などがあがり
「人とつながり続ける」
とまとめました。
2班から6班までの発表があり、西山さんは、ぜひプランにして実行してほしいと話しました。
最後に、おやま市民ビジョン会議の飯野副座長から
つながることはコミュニケーションをとること。つなげるためには、(ビジョン会議について)こんな話があったと伝えてほしいとお話がありました。
参加者の食と農の意識は高く、市でも地産地消にもつながる学校給食の有機化を進めていこうと思いました。
おやま市民ビジョン会議シリーズ今後の予定
おやま市民ビジョン会議~学び合うセミナー第5回の開催について
私たちはローカルで幸せを見つけるー地域との関わりとウェルビーイングー
日時:9月28日(土曜日)10時00分~12時00分(9時30分~受付開始)
会場:小山市役所6階 大会議室6abcd
講師:指出 一正 氏(ソトコト編集長)
申込:https://logoform.jp/form/9Doh/685799
おやま市民ビジョン会議~4地区合同ワークショップの開催について
4地区合同ワークショップ(間々田・寒川・中・穂積)
日時:10月5日(土曜日)14時00分~16時30分(受付開始は13時30分~)
会場:小山市役所2階 大会議室2
申込:https://logoform.jp/form/9Doh/685816
リンク
里山キャンパス益子家
https://www.facebook.com/mashikoya2022/
すみだ青空市ヤッチャバ
https://yacchaba.tokyo/
ソトコト、30年先のありたい姿を描く、「おやま市民ビジョン会議」の挑戦
https://sotokoto-online.jp/well_being/25244
おやまアサッテ広場
https://oyamavision.com/