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  • 【更新日】2024年12月3日
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常陸大宮市視察 レポート

2024茨城県県北農林事務所

下都賀地域グリーン農業先進地視察研修会

11月25日栃木県下都賀農業振興事務所の主催で、グリーン農業先進地視察研修会が茨城県常陸大宮市で開催されました。
農家、JA、自治体で16名が参加しました。
その内容をレポートします。

1 常陸大宮市における有機農業推進計画及び協定の締結について
疋田徹治、常陸大宮市農林振興課長補佐

疋田さんは、なぜ今オーガニックか、環境への配慮、食の安全、学校給食を一緒にやっていきましょうと話しました。
令和3年度に有機農業推進計画を策定し、令和4年度から有機農業の推進を開始した。
米が16ヘクタール、うち鷹巣地区で12ヘクタール。地区を選んで資源を投入することでできる。
有機農業を進めていく上で重視したことは、有機農家がゼロだったため、リーディングプレーヤーとなるJA子会社と企業体を誘致した。
有機農業がしやすい場所を選定。
技術指導は、いばらき有機農業技術研究会の松岡先生と県。
小規模の農家は生きがいづくりとして、給食への提供は大規模を重視した。
市内では、牛、豚、鶏がたくさん飼育されていて耕畜連携を進めている。
スキームをつくり戦略的に進めている。有機農業をただ広めるなら個々の農家を支援すればよい。
有機米の買い取り価格は、JA概算金プラス1万円としている。
野菜は市場価格の1.25倍から1.5倍くらいの価格で、農協が集荷している。
給食は1日2,700食。
例えば、じゃがいもが年間100キロ必要だとしたら、生産は300キロ計画する。
小農の野菜は給食へ、大規模農家は市場へ。
また、給食用が足りない時は、市場から調達していいよと言われている。
ここに行きつくまで、市は農協、給食センターとぶつかった。
最初は、話し合いに農家をいれたがまとまらなかった。
市場であふれた時は普通の野菜と一緒。
EC、個人販売は進めていない。系統共販。
有機JASの団体認証は、農協に頼んでいる。資料を作っているのは市。
全量農協出荷でよいのは出荷データがあること。
組合長は、小農分は農協で購入するよう言っているが、農協は赤字を出したくない。
農協でまとめると資材がまとまる。野菜は大変。
有機JASは交付金を使って講習会を行った。グループ認証で、費用は面積割。JA常陸アグリサポートが7ヘクタール。
講習会の講師は民間稲作研究所認証センターの倉持さん。
カモスフィールド、レインボーフューチャー、誘致は法人。
農地は、農地中間管理機構を使って再配分した。
いばらきオーガニックステップアップ事業や常陸大宮市予算の補助金についてもふれました。
2024会議室

質疑

面的集約について

疋田さんは、JA常陸アグリサポートが受託会社なので、農地の交換と集約がうまくできる。飼料用米を緩衝帯としている。水汚染が一番難しい。鷹巣地区ならJAアグリサポートが数町歩やっている。区長がこどものために学校給食米をつくると歩いてくれた。
計画は1、2週間でできる。地域の農家は高齢化が進み、離農を考えていると話しました。

雑草対策

現地に行って話をして理解してもらっている。仲良くなれば大丈夫。
クレームが来ても説明をつくしているとのことでした。

産地見学会

茨城県県北農林事務所の西村さんは、県が主催している産地見学会について、
茨城県、地元自治体、広報で告知していると話しました。

野菜の規格

疋田さんは、じゃがいもが小さい、不揃という時はメニューで対応する。その日流すサイズが一緒ならよい。
曲がったキュウリは、半分にすればまっすぐになると調理員が考えてくれたとのこと。
給食は今もセンター方式で、来年から1センターになる。「有機だから虫食い」、「有機だから不揃い」はやめようと話している。
10kg必要な場合は、歩留まりを考え12kg納入していると話しました。

農協の役割

子会社がリードしている。
県がカモスフィールドとレインボーフューチャーを誘致した。
野菜で、その日に使わなければならないものは厳しい。農協は試行期間なので、小ロットも扱っている。
ゆくゆくは大ロット。5年の中である程度のスキームをつくると話しました。

給食の有機JAS

有機JASの生産工程責任者の講習を受けた農家で有機JASを扱うとしている農家の農産物を扱っていると話しました。

給食センター

センター長は職員なので、有機をやらなきゃと考えているが、委託先は大変。
ただやれといっても人は動かない。
農家から小さいじゃがいもをもらった時に、「どうやったらいい」と一緒に考える。
給食の会議は「できない」ではなくやるための会議としていると話しました。

有機農業の研修

西村さんは、茨城県は有機JASの検査員が受ける研修を受け、認証のための知識を習得している。
また、技術研修も開催していると話しました。
疋田さんは、(職員は)ナスと何か、庭で作る。農家に聞いて一緒にやる。
「この農家はこういう機械が必要」と把握しておくように。
今(令和6年11月)令和7年度の予算の話はしない。話をするなら令和8年度の予算と話しました。

有機農業での新規就農

ほとんどいないが、まれにいるとのことでした。

2 株式会社JA常陸アグリサポートにおける有機農業の取組について
鈴木康成、株式会社JA常陸アグリサポート大宮営業所長

2024かわプラザ
午後は、道の駅常陸大宮かわプラザに場所を移して、お話を伺いました。
鈴木さんは、慣行から有機への転換は不安があったと話しました。
いばらき有機農業技術研究会の松岡尚孝先生に指導してもらい、畑:5.5ヘクタール(うち三美(みよし)地区:4.5ヘクタール)で取り組んだ。
全てのほ場で全農の土壌分析を、畑は年2回、田んぼは年1回行った。
有機サツマイモは難しい。令和6年は50ケース。
有機稲作は、民間稲作研究所に指導してもらい2年目、3年間は忠実に行う。
取れ高から逆算して苗の量を決める。1反25枚。
水を入れすぎると、苗が徒長する。分けつが悪い。
オタマジャクシがすごく増えた。アメリカザリガニが苗を食べた。
強く中干をすると、窒素過多になり、倒伏する。
80ヘクタール借りているため、有機農業をしやすい場所を選べた。
やりたい人の集約は、市や区長が行った。
給食センター用にカレーセットとしてにんじん、じゃがいも、玉ねぎを生産したが仕事が間に合わず、雑草管理にクレームがきた。
有機農業が始まって理解が進むと、近所の農家が手伝ってくれるようになった。
クボタアグリシステム、KSASでほ場管理をしていると話しました。

質疑

水稲の収量構成要素

鈴木さんは、反収は1年目7俵、今年は6.3俵。倒伏したと話しました。
有機米は、量よりもおいしさで行こうかと考えている。
食味が85から91になった。
有機米専用のライスセンターを作ってもらった。
乾燥機50石3機、グレーダー、色彩選別機。
カメムシ被害はなかったとのことでした。

輪作か、連作か。

緑肥を入れないと畑は持たない。
緑肥がよく育つと作物もよく育つ。
今は納豆菌を使用しているが、EM菌に取り組む。
微生物の働きが重要。
JRAの美浦の馬ふんも使ってみる。
緑肥は、クロタラリア、メートルソルゴー、ヘアリーベッチ、麦系。
リビングマルチはメートルソルゴー。
今の先生は、松岡先生とユーチューブ。いいとこどりで行っている。
私たちが実験をして、農家さんにコピーしてもらう。
大根を近隣農家に頼んだところ、平うねにして虫で全滅した。
アグリサポートで行っている菌ちゃんの高うねは、害虫がつかないと話しました。

苦労点、学校給食センター

1年目は栄養士とケンカ。規格をM、Lと揃えられない。
栄養士に畑をみてもらって、ちょっと小さいのでなんとかならないかと相談し、メニューづくりで大きさをカバーしてもらえるようになった。
配送は、7時30分までに納品しなければならない。市に予冷庫を要望している。
水戸市では、午前中に各校を回りきらないと話しました。
2024有機農産物コーナー
有機農産物コーナーがありました

現地ほ場

2024三美地区ほ場
その後、三美地区のJA常陸アグリサポートのほ場に移動し、ほ場や作物についてお話を伺いました。

2024三美地区ほ場2

2024ねぎ
ねぎは移植(苗植え)と直播を試しているとのこと

2024にんじん01
にんじんは失敗なし

2024かん水
かん水設備が整備されています

2024にんじん2
にんじんがスルッと抜けました

今回の視察で、小山市の問題解決につながる気づきをいただきました。
疋田さん、西村さん、鈴木さん、そして視察を企画していただいた下都賀農業振興事務所の関係者のみなさま、
ありがとうございました。

このページの内容に関するお問い合わせ先

農政課 担い手・農地総合対策室 環境創造型農業推進係

〒323-8686 栃木県小山市中央町1丁目1番1号 5階

電話番号:0285-22-9269

ファクス番号:0285-22-9256

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